解放

めちゃイケ」が終了をアナウンスされる。


まだフジテレビ側が正式に発表したわけではない(11/4午前現在)が、3日のスポーツ新聞では横並びで終了がアナウンスされ、スポニチに関しては「みなさんのおかげでした」も終わるとの発表が。今まで何度も同様の記事がゲンダイや東スポあたりで飛ばされていたけども、今回ばかりはマスコミの発表が一斉だったので本当なのでは?という流れになり、最終的にフジでもめちゃイケメンバーでもなく、そこそこ部外者のたむらけんじがインスタグラムによって「総監督(片岡飛鳥)から終了を知らせるメールがあった」とバラしてしまう。これで決定的になった。
(追記:4日放送の番組で、半年後に終了する旨が正式に発表されました)


もう自分は「めちゃイケが終わる」という事実だけを捕まえれば「もう充分すぎるくらい延命したから早く楽にさせてあげてくれ」としか言いようがない。今までここで何度も同様の趣旨を書いたし、数年前のめちゃイケ主導の27時間テレビに関しては「これが最終回だったらどんなに素晴らしかったか」とまで書いた。だから終わることに関して何の異論もない。誰も悲しまないとすら思っている。


これでまた「最終回惜しむブースト」がかかるのだろうか。「いいとも」のときにも書いたけども、本当に今までが面白かったら番組は終わらない。けど終わることが分かって派手にぶち上げた花火はあくまで「燃え尽きる前によく燃えるろうそく」であり、ただ遺産を食いつぶしているだけの話だ。それをもって惜しいとは思わない。もちろん長年続いた番組が終わることは寂しいことではある。しかしそれ以上に面白くもない番組がただ「長く続いている」ことだけに価値を持たれ、だらだらと続いていることのほうが惜しい。


しかし「めちゃイケ」を終わらせて新しく始まる番組に期待できるのか、と言われると「我慢するしかないだろう」である。「いいとも」を終わらせ始まった「バイキング」であるが、最初こそパッとしなかったものの、坂上忍がメインMCで毎日批判に晒されながらも言いたい放題言う場所になってからは安定してきた。これがもし坂上を大人しくさせたり、早々に方向転換していたりしたならばまた迷走していたんだろう。今のフジは「次の一手」を探りたくて我慢できない状態にある。もう状況的に底を打っているんだから、あとは我慢するしかないだろうよ。だから「めちゃイケ」無き後の土曜8時も「我慢」してほしい。


あとひとつ書いておきたいのは「めちゃイケがダメになったのはどこからか」という話題のときに「新メンバーが加入したこと」とよく言われる点。これ違うと思うのだ。もちろん新メンバーには可能性があったが、その可能性を生かせないまま「結局何にもならなかった」ことは否定のしようもない。結果的に「新メンバー何のためにいたのよ」は間違ってないのだけど、かといって新メンバーが入ったことが悪かったわけじゃあないだろう。スタッフの誤算は「岡村の復帰が案外早くて、新メンバーを大いに生かす必要がなくなってしまった」ことだろうよ。その結果岡村の負担は相変わらず大きく、そして視聴者の世代交代を狙って子ども・ファミリー向けに緩やかにシフトしようとしていたが、元々のファンが離れることになりどうもこうもなくなってしまったこと。これが最大の原因だと思う。


もちろん昔から見ている視聴者は、昔の思い出補正でもって「前のほうが面白かった」と言いがちではある。番組は同じことをやっていても、こちらの考えが大人になってしまっていたり、昔の刺激を上回らなかったりということは大いにある。これも何度も書いているが、作るほうも、そして見ているほうも年をとるのだ。作り手と視聴者の間に齟齬が生じるのは、何も作り手のみの変質ではないことはちゃんと押さえておかねばなるまい。しかし今のめちゃイケは、もうそういうことを言ってる場合ではないくらいにズレてしまったということだ。人は昔の栄光では笑わない。今の実力でしか笑わないんだよなあ。


10年以上続くバラエティはそう多くない。そんな中めちゃイケは「視聴者の世代交代」という難題に立ち向かったのだ。しかし、それに失敗した。失敗は悪いことではない。この教訓が次の「さらに面白い番組」に生かされればいいだけの話、である。無論そんな番組が今後フジに登場すれば、の話ではあるが。


そんな世代交代の波を巧みに切り抜け、30年続いた「おかげでした」に関してはこの10倍くらい言いたいことがあるんだけど、正式発表されたときにまとめて書いてみたい。


(追記:来週の放送では「めちゃイケ終了」を岡村自らメンバーに伝えていく模様が放送されるようだ。ここから最終章に向けて番組が動いていくのかもしれないが、あと半年もあるのかと思ってしまった自分はもはや心がとっくに離れているんだろうな。いいともの時と何も変わらない。)