ちょうどいい長さ

アニメ「ルパン三世」のレギュラー新作の初回が放送されました。とても面白かったです。


自分も小さい頃によく早朝に流れていた「ルパン」の再放送を見たクチである。子どもには少し理解の難しい部分もあったように思うが、ルパンのコメディ性とアクション性が幼心にもグっときたものだ。


今回始まった新ルパンも、基本的には子ども向けではなく「あの頃見ていた大人」に向けて作られているような気がする。今のアニメは基本的に大人目線で作られてはいるけども、ルパンは「大人」ではなく「あの頃見ていた大人」向け。一本筋の通ったテーマやストーリーを必要としていない。作品単体によるストーリー性は薄いけど、「ルパン三世」という作品そのものの持つストーリー性がそれを補完している。でもそれは「ルパンをずっと見ている」ことが前提になるわけですよ。


そんな自分の薄っぺらいルパン論はどうでもよく、今回書いてみたいのは「30分番組っていいよね」ということである。


秋の番組改編時期なので、とかく特番が多い。2時間ならまだしも、平気で3時間特番を放送する。特にテレ朝バラエティ。正直長い。オッサンには長い。いや視聴者みんな思っているんじゃないか、長いって。


もちろん人気のある番組だから「3時間でも持つ」という意味はあるんだろうが、3時間特番のほうが予算的にも都合がいいんだろう。オールスター感謝祭みたいなのはともかく、普段より少し豪華なキャストで長いことやるだけなので、何本も番組作るよりは制作費も抑えられる。局側の編成の都合が大きいような気がする。


しかし普通にテレビの前に3時間かぶりつくのはもうキツい。自分の場合もはやリアルタイムで番組を見ることは激減し、大抵の場合は録画1.5倍速視聴。3時間番組の場合はCMを抜かせば放送時間は150分程度。これを3分の2の時間で見るので、だいたい100分程度で見る。元の時間からすれば約半分だけども、それでも1時間半はその番組につきっきりなのだ。だから特番時期はどんなに頑張って録画を減らしても、なかなか番組の消化が追いつかない。


なもんで、長尺の特番は早く消化したいのと同時に「後でいいか」となる。その代わりについ見てしまうのが30分番組。これがちょうどいい。30分番組はCMを除けば正味22〜23分。これの3分の2なので、必要時間はだいたい15分ほど。何か作業をしながらとか仕事に出る前の支度時間だとか、ちょっと見るには本当にいい時間なのである。


もちろん何もせずにしっかり見る番組も多いが、15分程度で見終わる番組はやっぱり「ちょうどいい」と思うのだ。今回ルパンのアニメも30分。やはり同じく1.5倍速で見て「ああ、ちょうどいい長さだな」と思えた。不思議と「もう終わりかあ。まだ見たいなあ」と思わない長さ。これは自分がテレビに対する集中力がなくなっているせいなのか、はたまた長時間番組に辟易している結果なのかは分からない。しかし今の自分は30分番組を欲しているのは紛れもない事実である。


いまやゴールデンで30分番組が放送されることはNHKを除けば皆無だろう。しかし昔は民放でもけっこう30分番組がゴールデンでも流れていたように思う。制作費が潤沢だった昔だから出来た話なのかもしれないけども、別に大げさなことをしなくてもいいから、19時台にちょっと気の利いた30分番組を縦2本で編成するなんてのも実はアリなんじゃないかと思える今日この頃である。

ニッポン戦後サブカルチャー史2

エントリをつけるほどの話でもないのですが、一応。1のほうはだいたい見ていて、年末に一挙放送されたものを全て録画したっきりなのですが(つまりは全部はちゃんと見れてない)、2が始まってしまった。初回は女子高生文化で、一歩間違えれば「ジョージポットマンの平成史」のような話に。


この番組の肝が据わっていると思えるところは「明確な結論を出そうとしていない」ところ。もちろん明確な結論を出せないような話をしているんだけども、こういう番組をやると「ある程度の着地点」を見据えて番組を構成しそうなもんだけど、一応結論めいたことを出そうとしながら、ふわっと番組が終わっていくというのは結構勇気のいることなのではないかなあ、と。前作の評判が良かったので出来る技なのかも。


しっかし最初に「30分番組がいいよね」と書いておきながら、後ろにちょこっと55分(NHKはCMがないので、民放で言うところの70分番組)の紹介をするあたり、説得力がまるでない。こういうオチです。