「キングオブコント2015」の感想を。
優勝はコロコロチキチキペッパーズでした。妥当かと思います。そこらへんの話も含めて個別の感想を簡単に書いてから全体の感想を。
藤崎マーケット
路上パフォーマー。審査員の５人もしきりに述べていましたが、基準にするにはそりゃ難しいネタでしたよね。明確な笑いどころがないんだけど面白い。トップバッターながら結果このネタが５位まで残ったということが最大の賛辞なのではないでしょうか。２本目のネタも面白かったです。
ジャングルポケット
親友の浮気。もう堂々とジャングルポケットが出来る最大限のネタを披露しているわけですから、これ以上何を求めるというのか。２本目のネタは一度見た事があるものでしたが、ちゃんとしてるよね。面白い。
さらば青春の光
芸術家の苦悩。もう一展開欲しかったというのが正直なところ。初回の自分たちが高い壁になってる感。
コロコロチキチキペッパーズ
妖精。くっだらないです。けど笑いますよね。２本目は見せ方を変えてきたけどもやっぱりくだらない。いやあくだらない。けど今回の最大の勝因です。
うしろシティ
悪魔と老人。最後のオチが安易だったかなあ。
バンビーノ
魔術師と犬。見たことあるネタでいいネタなのは知ってたんだけど、「あれやんないのかな」と思ったネタが２本目のやつ。やっぱり温存していたんだなあ、と思った。練習量と完成度は半端ない。
ザ・ギース
ビフォーアフター。アイディア一発だけではどうにもならんかった。後述しますが、惜しい。
ロッチ
試着室。最初のネタの圧倒的なくだらなさで前半トップに立つも、後半でコロチキにまくられる。２本目のチャンピオンのネタも悪いネタじゃないんだけど、「これじゃない」感が出てしまった。逃した魚は大きかったなあ。
アキナ
鳥。やりたいことは分かるし、もっともっと爆発してもおかしくないネタだったんだけど、ハネず。惜しい。
巨匠
回転寿司。昨年のネタ同様、常人では思いつかない発想のネタ。ダウンタウン松本の「もっと面白くなくてはいけない」という指摘は厳しいけど的確すぎる。
今年は例年と比べて空気がやっぱり違いましたよね。ダウンタウンの松本人志が審査をするというのは、これほどまでに空気が変わるものなのか、と思ってしまう。それがいいか悪いかは別として。さまぁ〜ずとバナナマン日村は割と素直な点数のつけ方。バナナマン設楽だけが少し３人とは違った見方をしていたと思います。それにしても今回の審査員にケチをつけられる人はそうそういないのではないでしょうか。
ただ、自分が見ていて思ったことは、昨年までの準決勝敗退の芸人の審査でも、大きく結果は変わらなかったんだろうなあ、と。それは芸人が芸人を審査する、という点において「アイディア一発」ではやっぱり勝てないということ。視聴者には目新しくて面白く見えても、芸人はこのようなネタを腐るほど見ているわけで、そこに「きちんと面白い」が乗っかってこないと、そりゃ点数のつけようがないんだろう。準決勝敗退の芸人では直接言わないことでも、今回の審査員ならそりゃそれとなく言いますよね。そこらへんに違いが見えたかなあ、と。
結局今回の大会で何が決定的に足りなかったかといえば、「笑い」そのものですよね。だからこそ笑いやすいくだらなさを的確に２本提供したコロチキはそりゃ優勝しますよ。変に審査員に媚びることなく、誰が見ても笑いやすいネタを２本用意した。当たり前のことですがそれが出来たというのは実に強い。
これでもしロッチが２本目に超絶にくだらないネタを用意していたら優勝していたと思います。審査員もロッチがある程度のネタを用意していたら、点数をつける用意はあったんじゃないだろうか。けどあのネタではさすがに点数を出すことが出来ない。別につまらなくはないけど、高得点をつける理由がないネタなんだもの。どこかひとつ最高にくだらない、「評価できる」ポイントがあったら結果は違っていた。
偉大なる審査員をものともせず、一度どこかで会場が爆発的な笑いに包まれていたら。そんなifを考えさせられる今回の大会でした。裏を返せば、そんなネタを用意していたグループが準決勝敗退者の中にいたのでは？とも思えてしまう。そして何より審査も番組も、もうちょっとユルいほうが全体的に笑いが起きてみんな楽しいんじゃないのかな、と思えた次第。楽しくやろうぜ。
