ブルマのおかしみ

「ロンドンハーツ」3時間SPは色々思うところがありました。

 

前半はロンハー恒例の女性芸能人による運動会。一応ガチの運動会ではあるけど、別にみちょぱが4連覇しようが20連覇しようが視聴者のほとんどはどうでもよく、そこにあるエロだとかエロだとか、まあエロい部分を楽しむ現在の地上波の外角低めギリギリを狙った企画であります。

 

しかしそこは百戦錬磨のバラエティですから、そういうところを楽しめる仕様にしつつ、ちゃんとバラエティとしての面白さも担保しているところが素晴らしい。鈴木奈々がしっかり泥にダイブし、朝日奈央がテイク2で喜びを表現したり、女性バラエティタレントが活躍している理由がよく分かる教科書のような内容だった。

 

その中でも異彩を放っていたのが、3時のヒロイン福田のブルマー

 

女性タレントやモデルなどが多数出演するなかで、実は女お笑い芸人の出番は少ない。同コーナー。オアシズ大久保さんがコーナーを退いたこともあり(その役目は磯山さやかが引き継いでいた)、ますます女性芸人の出番はないのかと思いきや、一人奮闘していたのが福田だった。その最たる部分が「三十路でブルマー」だ。

 

そもそも運動会なので、出演者は運動に適した格好を各々する。ただ基本的には運動着にハーフパンツ的ないでたちなのだけど、福田だけが唯一ブルマー参戦だったのだ。いまやブルマ―なんて全国的にAVの中でしか、いやAVの中ですら絶滅危惧種であるブルマ―をはいてくる。しかも30過ぎたおばさんのブルマ―。これは笑う。笑うけど、番組中では「妙に生々しい」と言われていた。

 

たとえばガンバレルーヤのふたりがブルマ―をはいて参戦すれば、それはもう「面白い」のほうにしっかり振り切れるわけだけど、福田くらいの「なんか中途半端な立ち位置」の人が履くブルマ―は、「お、おう…」という気分にさせてくれる。別に嫌悪感はないけど、かといってまっすぐ面白いというわけでもなく、なんなら「生々しさ」がちょっとエロのほうにも振れるし、はっきり言えば「ボケとして成立しているのか難しい」のですね。たぶんそれは本人も分かっていたはず。

 

しかしそこで敢えてのブルマ―は「違和感が確実にテレビに映る時間を増やす」ことをちゃんと自覚してのこと。はじめからこの違和感を狙っている。そう考えると福田は自分が思っている以上に芸人としてストイックで貪欲だなあとなんとなく思えたわけです。

 

「ブルマ―を履いて笑いを取りにいく」は、どう考えても「古い笑い」なのです。少なくともラランドのサーヤが狙いに行く笑いではないです(ラランドサーヤの「セブンルール」やアメトーークでの在り方をラジオで話すあたりの件は機会があればまとめて書きたい)。一応「第7世代」と言われる3時のヒロインがまっすぐ狙いに行く場所ではないのだけど、ロンハー運動会という各々の役割が割としっかり決められている場所で、「武器が何もない」と自覚した福田が古い笑いでもいいからブルマ―を履いてくるというのは、非常に「真摯」ですよね。結果として本来飛び道具でもっとテレビに映るはずのメンバー(ゆめっち・かなで)よりも映ってましたもの。

 

あと「体張った仕事はNG」と公言しているぼる塾、特にあんりがちゃんと泥に落ちて黒豚扱いされながら運ばれていくのを見て「やっぱりこういう笑いがなきゃダメよ」と思いました。体を張る面白さに男も女もないっすね。

 

後半は50TA(狩野英孝)の公式ライバルとして50PA(ぺこぱ松陰寺)が登場。配信生ライブの権利をかけた視聴者投票を実施。結果は50PAに。

 

これはもうひとえに「50TAをどう思っているか」に尽きると思うのですが、お笑いとしては50TAの圧勝でした。「ギリシャの女神(サリー)」はお笑い音楽史にちゃんと残る名曲。

 

しかしこれを「バラエティのアーティスト対決」と見れば、「今人気があるぺこぱのライブが見たい」になるわけで、そりゃあぺこぱ勝ちますよ。50TAをお笑いとして絶賛しても、それはオッサンの見方であり、オッサンは視聴者投票しませんからね。投票するのはいつだって「ミーハー」なファンであり、それは今現在どう考えてもぺこぱの圧勝。悪いことではないが、決して面白いではない。

 

あとすげえ気になったのが、視聴者投票の前に2台のヘリコプターで対決を煽るくだりがあったのだけど、あれはどう考えても「アメリカ横断ウルトラクイズ」の決勝のオマージュ。読み上げられるナレーションもBGMも確実にウルトラをなぞっている。何のためだ。自分のようなクイズとバラエティが好きな30代のオッサンは気付くが、あれは誰に向けてのアピールなのか。少なくともぺこぱ目当てに見ている若者は一人も気付かない。

 

参考:長門VS永田 ウルトラ屈指の名作第13回決勝オープニング

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こういうことが指摘したくてブログやってると言っても過言じゃない。