ドラマ離れ

半沢直樹」の視聴率がいい、という話題。評判もいい。


いや間違いなく面白いドラマなんですよ。それは間違いない。けど、なんか随所随所で絶賛されていることにはちょっと違和感があるわけですね。「そこまで評判になるようなドラマか?」と自分は思いますよ。だって、大袈裟すぎてマンガみたいじゃないっすか。言ってしまえば、分かり易いドラマでしょ。分かり易いドラマをけなしているわけではなく、分かり易いドラマでしか「面白い」と言えないほどドラマを見る側の体力が衰えてしまっているのかなあ、とは少し思ってしまう。


ひとえに「普段ドラマ見ない人」が面白がっている結果がこれである、と。まあ普段ドラマ見ている層はすでに10%前後で固定されているのだから、20%を超えるということは当然にそのような層を巻き込んでいるという話だ。ヒットってそういうもんだろうが、なんか「過大評価」の違和感は自分の中で拭えない。


普段ドラマを見ない人が面白がるには、あのくらい大袈裟で分かり易くて丁度いい。「普段ドラマは見ないんだけども、このドラマは面白いから見ている」なんて人の意見は一見「面白いものが分かる」風に聞こえるが、それは単にそこまで分かり易いものにしか反応できてない、ってだけだろう。このドラマが高視聴率なのは、ドラマのクオリティの高さというよりも、視聴者のドラマに対する面白がり方が鈍ってきている、ドラマ離れが進んでいるということのカウンターなんじゃないかと思えている。結局水戸黄門よろしく、決め台詞があるのが好きな日本人ってことだ。愛しくも哀しきDNAよ。