嫌われる才能

・ロンドンハーツ
「芸人記名意識調査」の後編。前編同様に色々見所はあったが、なかでも面白かったのは「生まれ変わってもこいつにはなりたくない」という質問。


票数からいえば圧倒的に狩野英孝だったのだけど、個人的にはケンコバアンタッチャブル柴田が投票した品川庄司の品川に対する意見が最高だった。ケンドーコバヤシは品川を「嫌われる才能がありすぎる」と評している。まあケンコバは品川の事務所の先輩でもあるから、意見として的は射ているものの半ば冗談とも取れるコメントだった。


しかし芸歴でいけば先輩ではあるが他事務所であるアンタッチャブル柴田の意見がアンケート記入時は匿名だったこともあってか、かなり辛辣かつ正直な意見だった。以下書かれたコメント。

すごい才能を持っているのに全然羨ましくないし、憧れない。
芸人として超一流なのに、人として二流な感じ。

はっきりいってテレビ向けのコメントでは全然ない。もう「生まれ変わっても品川になりたくない」理由を率直に述べているだけの代物だ。だからこそ普段柴田が品川に対してどう思っているかよく分かる。


柴田は「本当に努力もしているしいろんな才能を持っている。しかし少しも羨ましいとは思わない。芸人としては物凄く認めている。通常の場合芸人として認めている人間は尊敬したくなるが、品川に関しては全くそうは思わない。それはつまり人間として二流だからに他ならない」という旨を述べていた。そして最後に「あんま好きじゃないかもしれない」と締めている。


それに対し品川は「色んなことをずーっと努力してきたが、努力じゃ人望はどうにもならない」と吐露。後輩は慕ってくれるもののそれは後輩という立場上であり、実際同じような立場の人間である柴田の意見がこうなのであれば、自分の実際の人望はこんなもんだと。


悲しいかな品川の分析は間違っていないだろう。自分は実際に会ったことはないけど、彼が積み上げている「人望らしきもの」は実際に人望があるから発生しているのではなく、彼が人望を積み上げようとして発生している「意図的な人望」である。それは換言すれば「義理」だもの。むしろ彼が意図的に人望を積み上げているのが鼻につけばつくほど人望は薄れていく。


こんな品川の窮状をどうにかしようと、小島よしおが品川のフォローに。しかしマトモなフォローができずにしどろもどろ。そこで品川が小島に放った一言。


「何のために毎晩一緒に飲んでるんだ」


こういう一言があるから彼は人望を無くすし、柴田が羨ましくないと思うんじゃないだろうか。品川は「努力じゃどうにもならない」とは言うけど、こういう発言を控えるという努力をするだけでも、少しは人望が発生するんじゃないかと思うんだが。まあ余計なお世話だし品川の人望がどうなろうと知ったことではないけど。