斜陽
「めちゃイケ」、期待していたんだけどもうダメなのかなあ。
「キレ芸新人オーディション」ということで、若手芸人のキレ芸の新たなスターを発掘すべく、キレ芸の先駆者である極楽加藤、カンニング竹山、テリー伊藤ともうひとり(岡村)が審査員となって若手を審査していく。
これ、先週から地味に楽しみにしていて、さらば青春の光森田だとかアンタッチャブル柴田が登場するので、これは結構な荒れ場になると踏んでいたのだけど、メインはそこじゃなくてダイアンの津田だったんだよなあ。完全に肩透かし食らった。
もちろん森田も柴田も扱いとしては悪くなかったんだけど、自分の感覚からしたら、森田のキレっぷりはどう考えても今回ナンバーワンで、相方(東口)が先輩芸人(鬼ヶ島和田)の嫁(中山楽美)を寝取ったという全然笑えないネタに対してキレまくり、ドン引きする三田アナに対して「どうせ女子アナは軽い」と噛みつき、嫁が女子アナ(青木裕子)である矢部にまで飛び火。完全に面白かったのに、なぜこれがメインじゃないのか。ここでもフリーの苦悩なのか、と森田じゃないけどキレたくなる。
ダイアン津田が面白くなかったわけじゃないんです。けど、北海道人の自分からすれば、津田が関西でどんなに人気があるのか知る由もなく、めちゃイケは確実に「人気者津田」という関西のノリを関東に持ち込もうとしているのがミエミエなわけで、自分からすれば「そこを見せられても…」と困惑しきりなのだ。つまらなくはないけど、津田を目一杯面白がれない。たぶん関西の人は違う感想なんだろうな。
この感覚って、かつてFUJIWARAが東京に出てきてめちゃイケに登場していたときと重なる。今でこそ藤本なんかはガヤ芸人・パクリ芸人として確たる笑いを生んでいるけども、出てきたばかりのときは「なんでこの人たちは出てくるんだろう。天然素材の繋がりでやられてもなあ」としきりに思ったものだ。ダイアン津田もいずれそう思うのかもしれないけど、未来を担保にして今笑いたくないと今の自分は思う。結局優勝も津田で、「津田を出したいがための企画」でしかなかった。
番組の落としどころが自分の理想と違うことはよくある。たった一度そんなことがあっただけで「面白くない」とは思わないけど、最近のめちゃイケはその齟齬を感じることがちょっと多いような気がするのだ。それは単に「自分がめちゃイケの想定するターゲットではなくなった」ということなのかもしれない。それならそれで仕方ないんだけど、少し寂しい。あるいはもう、単に番組の寿命がとっくに来ているということなのか。
前者であることを願う。おかしな話だけど。