“紙”の領域

あなたは女優「平岩紙」を知っているか。

intoroduction〜映画「ハッピーフライト

先日、自分が愛してやまない傑作映画「スウィングガールズ」の監督矢口史靖(やぐち しのぶ)の最新作である映画「ハッピーフライト」を見てきたわけです。非常に面白かった。


自分は矢口監督を信頼している。作る映画は確実に面白い。しかし作品以上に信用している部分がある。それは「起用する女優(男優も)のセンスが自分の好みと一致している」ことだ。矢口監督が映画に起用する女優は自分の好みとほぼ一致する。「ひみつの花園」の主演西田尚美しかり、「ウォーターボーイズ」の平山あやしかり、「スウィングガールズ」の女優陣しかりだ。


今回の「ハッピーフライト」も主演である綾瀬はるか、同僚CAの吹石一恵、GS(グランドスタッフ)の田畑智子ら自分好みの女優を「これでもか!」という具合に配置してくれる。まるで自分のために作ってくれてるんじゃないかと思うくらいに。そんな中で今回「参った!」と思わせてくれたのが、田畑智子の後輩役を演じていた平岩紙(ひらいわ かみ)なのである。


そんな映画を見ていて「おや」と思うところがあった。それは先輩後輩の間柄で出演している田畑智子平岩紙の年齢だ。


田畑演じる先輩GS木村菜摘の年齢設定は26歳に対し、田畑の実年齢は27歳。そして平岩演じる後輩GS吉田美樹の年齢設定は23歳だが、平岩の実年齢は29歳なのだ。田畑は12月生まれなので学年としては1年しか違わないが、それより何より重要なのは先輩役を演じる田畑のほうが実際は後輩なのである。


例えば中学生が高校生の役を演じるのは珍しくはない。逆もまたしかり。10代の頃は成長差ってのがあるから、多少の年齢の前後はなんら不思議ではない。しかし20代の女性で順列が入れ替わるってのはなかなか見られる現象ではないように思う。


決して田畑が老けているわけではない。田畑の実年齢と設定年齢はほぼ同じである。おかしいのは平岩のほうであって、実際の年齢よりも6つも離れた設定(まあ撮影時は5つだろうが)をこなしているのである。これはひとえに、平岩の年齢不詳っぷりに尽きると思う。そして平岩の年齢を全く感じさせない「たよりない後輩」の演技は強烈に自分のツボに突いた。完全に魅了されてしまった。


映画の感想は機会があれば後日改めて書く事にする。本題はなにより平岩なのだ。

平岩紙の基礎知識

平岩紙が何者かをご存知ない方のために軽く説明をしておく。まあwikipedia劇団のプロフィール見てくれたほうが早いんだが。


平岩は1979年11月3日生まれの女優である。本名は平岩加奈。宮藤官九郎阿部サダヲ荒川良々らが所属する人気劇団「大人計画」所属の俳優であり、芸名の名付け親は劇団主催の松尾スズキ。紙のように肌が白かったからとのこと。


自分は札幌在住なので「大人計画」の舞台を見たことがない。よって平岩を生で見たこともない。だから自分の平岩ウォッチは当然にテレビ(あるいは映画)というフィールドに限られることを予め断っておく。「舞台も見ずに何が分かる」と言われてしまえばそれでおしまい。しかし、テレビからでも平岩紙の魅力はビンビンに伝わってくる。

不完全なる美しさ

まずは公式プロフィールにも使われている写真を見て欲しい。

長いこと自分の文章を読んでくださっている方なら察しがつくと思うのだが、自分の敬愛する女優木村多江しかり、西田尚美しかり、本仮屋ユイカしかり、夏帆しかり、自分はこの手の地味で薄幸系の顔が好きなのである。よって平岩の顔もストライクど真ん中だ。


だがしかし平岩のよさは単に好みの顔をしているにとどまらず、「油断するとブサイク側に大きく傾く危うさ」にある。例えば先ほど例示した女優さんはもちろん、小西真奈美吹石一恵もそうだが、本当に美しい女優はどこからどう見ても美しいのだ。極論を言えば所謂「変顔」をしていても美しい。言うなればそのくらい美しい人間だけが華のある女優になれるというものである。


しかし主演女優ではない平岩の場合はちょっと角度を変えたり油断したりすると、いとも簡単に「ブサイク」のほうへ傾く。目と目の間が少し離れすぎているようにも思える。「どこからどう見ても美しい」というタイプではない。見方によってはすげえ美しいし、見方によってはすげえブサイク。簡単にいえば「堀北真希にもハリセンボン箕輪はるかにもなり得る」タイプの人だということ。そんな隙のある感じが、自分にはたまらない。

平岩紙をもっとディープに知ろう

前述のように年齢不詳かつ美醜の振り幅があるルックス。一言で表現すれば「不思議な感じの人」という具合だろうか。それに加えて、平岩は「なんだかよく分からない」人である。


平岩は現在「タイノッチ」という番組にレギュラー出演している。TOKIO国分太一とV6の井ノ原快彦、加えて千原ジュニアの4人で暇潰しをしようという内容。この番組に出演している平岩を見るだけでも、彼女独特の「よくわからない感じ」を味わうことが出来る。ジャニーズファンならずともオススメである。


実はちょっと前にこの番組を偶然見たときから「平岩について書こう!」と思っていたのだけども、自分が「ハッピーフライト」の鑑賞前だったこともあるし、同番組で「平岩紙クイズ」なるものが北海道で放送されることを知り、これが放送されるまで(北海道は約10日遅れ)我慢していたのである。


平岩紙クイズ」とはその名の通り、平岩紙に関するクイズを他のメンバーに出題し答えさせるというもの。このクイズで平岩がどんな人物であるかを垣間見ることが出来た。以下出題された問題とその答え。


Q.趣味は何?
 A.散歩。

Q.癖は?
 A.耳の軟骨を鳴らす。

Q.嫌いな男性のタイプは?
 A.「いただきます」を言わない。

Q.最近がっかりしたことは?
 A.入った焼鳥屋にハツがなかった。

Q.小学校時代に注目を集めるきっかけになったことは?
 A.遠視用の分厚い眼鏡をかけた。

Q.ここ2ヶ月間していないことは?:
 A.シャンプー(酢で洗髪をするらしい)。

Q.専門学校生時代によく食べていた昼食は?

 A.ふりかけ。

Q.好きな男性の仕草は?
A.袖を伸ばして手を隠す。
Q.2歳で遭った大変な目とは?
A.胃潰瘍になった。
Q.自宅で一番落ち着く場所はどこ?
A.廊下。
Q.酔うとする行動は?
A.笑いながら走る。
Q.チャームポイントはとこ?
A.腕の長さ。
Q.好きな食べ物は?
A.ハツ。
Q.自分で作った切干大根の味を表現すると?
A.路頭に迷ったような味。
Q.高校時代に盛り上がった遊びは何?
A.テレフォンショッキングごっこ
Q.私の頭の中を円グラフで表すと?
A.黄桜100%(黄桜のような平和な世界観でありたいとのこと)。


これを読んだだけでも平岩紙の「なんだかよく分からない」という魅力に溢れていないだろうか。自分は女優の私生活にさほど興味があるわけではないが、自分がイメージする平岩の「なんだかよく分からない感じ」に忠実なまでに「よく分からない」となんだか嬉しくなってくるのもまた事実だ。


自分のツボは「路頭に迷ったような味」だろうか。こういう表現が出来る人って素晴らしいです。