うんちくvsトリビア

水曜のゴールデンにうんちく王スペシャルで登場。

北海道に住んでいる自分は、「どうでしょうリターンズ」が毎週見れる代わりに、うんちく王というものを見たことが無かった。一度だけアメトークという番組でちょこっと流れた伊集院の姿だけを見たことがあったが、実質これが初めてとなる。

それなのに開口一番「遂にゴールデンに進出です!」だもん。

とりあえず全国放送をアピールせんかい。

うんちく王サイドとしては、既にこの番組が全国区だと思っていたのかもしれないが、少なくとも北海道では流れていないし、くりいむしちゅー上田があらゆるところでうんちくを語っていることで後付で知った人も多いはずなのに、なんとも腹立たしい気分にしてくれるじゃないか、テレ朝よ。

うちの母親に至っては、司会のいとうせいこうに対して「誰?」から始まりますから。そうだよ、自分はいとうせいこうを知っているから何の問題もないが、全国区で、そしてゴールデンでやるからにはまず司会のお前、何物だから入る視聴者だってたくさんいることを忘れてはいけない。そこから既にテレ朝の驕りが見える。

そして、メンバーを見た途端思ったのが「山田五郎がいねえ」だ。

うんちく王が放送されている深夜番組「虎の門」において、山田五郎がどういうことになったのか放送されたのかもしれないが、自分は山田五郎が薀蓄を語る姿を楽しみにしていたのに、いないことになってやがる、山田五郎。上田、伊集院、松尾、なぎらで「四天王」だってさ。いきなりそんなこと言われてもなぁ。とにかく山田五郎はどうなったのか、ということです。

でまあ、うんちく王、内容はそれほど面白くなかったように思える。

確かに四天王の方々の薀蓄は凄いのだが、そのうんちくに対して「裏が取れない」のがどうかと思う。いや、あの構成では裏の取りようがないのだが、伊集院がかねがねラジオで発言するように、本当っぽいウソを吐いてもあれではわからない。そこらへんに若干の疑問を感じる。

また、生放送だったということもあってか、冗長である。うん、うんちくがあるのはわかるけど、あれで2時間は長すぎるような気がする。ルールもイマイチしっくりこない。

更に、ジャッジをアホな芸能人にやらせることが間違っている。アホ芸能人に対してだったらある程度学のあることやちょっとした知識を言えばそれだけで「うんちくあった」になってしまう。本来なら、あそこにタモリとか荒俣とかを入れるべきではないのか、と。全員大木のトリビアは面白いのか、と。そういうことだ。

そして最大のクレームは、決勝に残った4人(四天王)の差が殆ど無かったのに、アホ芸能人の合議でなぜか優勝が上田になってしまったこと。確かに上田のうんちくは素晴らしいのだけど、今日のうんちく王を見る限りでは、どう考えてもうんちくで有名なだけの上田が優勝しただけだ。あんなアホらしい終わりかたはあるまい。

結局、2時間見て思ったことは、あまりに芸能人の「うんちく」にウェイトを置いているあまりに、その他のルールや脇のゲストなどが決定的に甘いということ。自分は深夜のうんちく王を見ていないので、あまり強いことはいえないが、これが本当に面白い番組なのか、少し疑問に思った。


見所としては、うなぎ茶漬けの石田純一と、マトモなうんちくばかり語るなぎら健一。あんななぎら、見たことないよ。


それに対してレギュラー放送のトリビア

相変わらず最近のネタはイマイチなのだが、それでも1時間一気に見せる力があるのは、それを補うVTRなどのアシストのおかげだ。

今回のネタで秀逸だったのは、トリビアの種の笑いの学者たちが考え出したギャグ。ああいうことが出来るのがトリビアの強みだなとしみじみ思う。

問題作なのは、「岩下志麻はメールにはまっている」というトリビア。これ、本来なら最高にシュールでいかしたトリビアなのであるが、最後に番宣が入って全てが台無し。あれでスタッフトリビアだということがバレバレになってしまい、一気にしらける。


昨今のうんちくブームの火付け役となた両番組であるが、深夜から進化してちゃんとゴールデン対応になったトリビアに対し、深夜時代の荒削り(悪く言えば「工夫のなさ」)な番組をそのままゴールデンに持ってきたうんちく王。一概にどちらがいいとは言い切れないのだが、ゴールデンにスペシャルとして持ってくる際に、何の工夫もなかったうんちく王は少し反省したほうがいいような気がする。また、トリビアはスタッフ仕込みをするなとは言わないがどれだけ綺麗に隠せるかが今後の課題だろう。

ブームが去りつつある今だからこそ、もっと工夫を。



植草メンバー曰く
「手鏡は持っていたがのぞこうとしていないし、のぞいていない」
往生際が悪い。
「口のまわりにべっとりケチャップがついていたが、オムライスを食べようとしていないし、食べていない」
こういう感じ。