それは反則ではないか

今更「トリビアの泉」について語るのも気恥ずかしさみたいな部分があるんだけど、当サイト、地味に2002年の11月から取り上げていたりもするんで勘弁願いたい。

で、昨日放送されたトリビアには反則があったように思える。それは「VTRありきのネタが放送された」ことだ。

本来トリビアのコンセプトは「視聴者から投稿されたどうでもいい知識」をVTRで紹介することにより、その感銘度を「へぇ」で評価するというものである。つまりは「ネタ主導」なわけですよ。こんなこと言わずもがななんですけど、本当は。

しかし、今回のトリビアにはそのルールを覆す反則があった。それは柔道の吉田秀彦が大した理由もなく登場し「古代のオリンピックは参加者が全員裸で行われていた」というネタを披露したものである。

前にも「白い巨塔」の宣伝で唐沢寿明が医療に関するトリビアを披露したことがあるが、あれはあからさまに宣伝だったため、トリビアの内容はどうでもよかった。しかし、今回の吉田の登場は特に宣伝があるわけでもなく、ただ単にネタを披露(しかも明らかなカンペ目線)し、しかも98へぇ獲得して金の脳もらってやんの。いや、金の脳を貰うのはいいんだけど、あのネタ、どう考えても吉田発のネタじゃないじゃないか。

つまりは、吉田はなぜか知らないが「あのネタを言わされた」わけですよね。となれば、「なぜ吉田があのネタを言う必要があったのか」という部分に疑問が及ぶわけですね。でも、理由はあっさり見える。なぜなら「全裸でオリンピックの再現VTRが欲しかった」だけなのだ。

最近のトリビアの傾向として、ネタとしてはイマイチでもVTRがネタとして成立しており、そのおかげで評価が伸びるという作りになっている。それはまあゴールデン移行に伴い、ネタの枯渇が生じたときにでもちゃんと番組を成立させるためにスタッフが考え出した手段だったのだろう。それを責めるつもりは全くない。むしろ高評価したい。

ただ、だからといってネタを盛り上げるためのVTR作りに必死になって、VTRのためのネタを探すような真似は反則だと思う。今回のトリビアはまさに「VTRのためのネタ」だったと言いたい。

確かに全裸でオリンピックの再現VTRは面白かったし、映像の懲り方も素晴らしかった。しかし、それを番組のあり方としては評価することはできない。自分はトリビアの末期にはこういうことになるだろうと思ってはいたが、今まだ勢いのある時点でこのような段階に到達したということは、案外トリビアブームの終焉ももうそこまで来ているのかもしれないと感じたわけである。