色味

沢村一樹主演「ブラック・プレジデント」が面白かったです。


今クールはとにかく似たようなドラマ、簡単に言えば刑事ドラマが多すぎてもう区別がつきません。これが前クールの「S 最後の警官」の映画化潰しであれば大いに賛同しますけども、そうでなければ「よくもまあ企画って被るもんですね」という皮肉しか出てこない。


そんな中オリジナル脚本で勝負するこのドラマ。関西テレビ×脚本尾崎将也という「結婚できない男」を送り出したコンビに期待しないわけにはいかない。一代で会社を大企業にした社長三田村(沢村)が大学生になり、そこで色々騒動が巻き起こるてな具合。一応「ブラック企業」という扱いなのだけど、世間の本物のブラック企業のほうがあまりに黒すぎるので、このくらいの企業は全然ブラックじゃなく思えるところが怖い。


出演者も絶妙に安っぽい。壇蜜がちょいとエロい女医ってのは素晴らしいです。思いついてもなかなか実行しないもの。黒木メイサの大学講師のほうがある意味エロいです。永井大って出てくるだけで安っぽくていいですよね。褒めてます(本当に)。そんな中で大学生を演じている門脇麦がひとりオイシイところをさらっている気がします。


とまあ自分が説明するより見てもらったほうが早いと思うので、初回を見ていない人も2話を見てほしいと思う。


残念ながら、今回はこれが本題ではない。本題は「番組の色味」の話である。


テレビを長時間見ている人にはあるあるの話だと思うのだが、番組がドラマであれバラエティであれ、画面の色味を見ただけで、どこの局が放送しているか分かるようになるわけです。もちろん出演者とかの傾向もヒントになったりするんだけど、自分は静止画面を見せられて、その色味でどこの局の番組かを当てることが出来る。


これって収録しているスタジオの明るさだとかスタッフの好みだとかが関係しているのだと思うけど、詳しいことは正直よく分からない。ただ判別はつく。バラエティでいけば、NHKは基本的に余計な装飾はなく地味、TBSは画面が若干薄暗い、フジは明るめ、日テレは赤みが強く、テレ朝も明るく派手、テレ東は安っぽい。あくまで「そんな感じ」を言葉にしただけで正確ではないけど、見れば分かる。


で、今回のドラマ「ブラック・プレジデント」はフジ系(関西テレビ)のドラマなのだが、あまりフジっぽくなく、どちらかといえば日テレ系のドラマのような感じがした。配役でいけば確実に関テレなのだけど、タイトルバックやテロップは日テレの土9っぽい。だから途中まで日テレのドラマと勘違いしながら見ていた。


「っぽくない」といえば、爆笑問題が司会をしている新番組「言いにくいことをハッキリ言うTV」も画が日テレっぽい。こちらはテレ朝の番組なのだけど、色使いが日テレバラエティっぽかった。前回放送の「女性誌はオンナを不幸にする!」は、登場した深澤真紀のプレゼンが面白く、「とくダネ!」のコメントは全然面白くないのにこんな才能もあるのかーと思ったのだが、それはまた書く機会があれば。


番組の色味ってのはマネしようと思ってマネるということはないと思うのだけど、もしかしたら「っぽい作り」ってのを研究してたりするのかな、とは思う。今回自分が見間違えた番組はどちらも日テレだったが、ここ最近の日テレの「ブレない」作りは他所に研究されているのかなあ、とも思う。


その一方でフジの香取慎吾主演のドラマ「SMOKING GUN」は、もうこれでもかと言わんばかりのフジドラマであり、500%見間違わないです。そしてドラマの出来もふつう。特に語る所がありません。出演者に好きな人が見ればいい、という非常に当たり障りのないドラマです。別に貶してはいませんが、褒めてもいません。