史上最大の茶番

水嶋ヒロポプラ社小説大賞で大賞を受賞、賞金2千万円だとか。


あくまで「作品を見ていない」段階での話なので、実際に出版された作品を見てからではないと何ともいえないところではあるんですが、それを承知でこれはもう書かざるをえないわけであります。


なんだこの茶番。


水嶋ヒロではなく本名に近いペンネームで受賞したから、全くの実力」なんてふうにスポニチの記事には書かれてますけども、さすがに世間だってそんなにバカじゃないでしょう。たとえ水嶋ヒロなんて名前じゃなくたって、そんなもん調べればいくらでも分かることでしょうが。特に出版社はマスコミ業界なわけで、一切誰も知らなかったなんてことを強弁できるのだろうか。その神経がわからん。


出版業界も不況ですから、こういう話題作りが必要ですし、それで生活できる人がいるなら何の問題もないわけですけど、そんなに読者ってバカなのだろうか。ちょっと前まで俳優やってた人が急に小説書いて、それが大賞で2000万円。そんなに都合のいいことってあるのか。いやあるのかもしれない。否定はできない。ただ自分が小説家を志す人間だったら、きっとこのニュース聞いて発狂すると思うけど。そのレベル。


結局作戦は「やり逃げ」なんじゃないかと思う。自分のようにひねくれた人間が「じゃあ読んでやろう」とか思うわけじゃないですか。その時点でこの作品は「勝ち」なんじゃないだろうか。出来はどうあれ、手に取られた時点で勝ち。面白かろうがそうでなかろうが問題ない。「じゃあ読んでけなしてやるよ」となった時点でたぶん負けなんだと思う。


個人的には「面白いかどうかは読んで判断する」というのを拒否したいです。本の批評としては完全に間違っているけど、そういう嫌悪感の漂うレベルですよね。スポニチの記事には「自殺者の数を知ったのがきっかけで書いた作品」なんてことが書かれてますが、こんな嫌味なまでの茶番に絶望して自殺者増えなきゃいいけどな。アホらしさここに極まれり。