本歌取りでもなく

・笑う女優
1日に放送されたドラマ。お笑い芸人のネタを原作に芸人本人が出演しつつゲストの女優が演じるドラマ。


という説明だったはずなんだが、これがまんまと「オサレドラマ」に変換されていました。まあ事前情報で脚本書いてる人とか見ておけばよかったんだけど、この手の作業をしないのが性癖みたいなもんですから、結局はこの有様です。


ドランクドラゴン(というか塚地)×香里奈で「殺したかもしれない」、東京03×国仲涼子で「告白」、バナナマン×板谷由夏で「青い鳥」。エセお笑いファンでしかない自分は、キングオブコントで優勝したネタである「告白」しか元ネタを見たことがなかったわけだけども、ほかを見ずとも要するに設定の「原作」でしかないことはよく分かりました。


このドラマの企画を知ったときに「ああ、コントで演じられている女役が本物の女優に替わったらどんな風になるんだろうか。本人より面白かったらどうするんだろう」くらいに考えていたわけです。ていうか、見るまでそう信じてました。しかしどうも見ているうちに「おや、そうではないのか」と気付く。あまりに遅すぎた。


お笑い芸人のネタが原作ということは、その話には必ず「笑わせる」エッセンスが含まれているわけです。なのに、そのお笑い成分を全て抜き取り、なおかつオサレドラマに仕立てるというあたり何を意図しているのかよく分からない。これでは単に「芸人がドラマの演技もそこそこ出来る」ということを示すだけの企画になっている。しかもドランクドラゴン塚地にしろバナナマンの二人にしろ、既に連ドラ出演経験があるわけで、今更そんなことを証明しても仕方がないだろう。


結果として、出演している人たちも、そして視聴者も誰も得しないという一番哀しい状態に仕上がったと。せいぜい脳内で「この後東京03の飯塚が『ゴッドタン』のときのみひろよろしく、国仲涼子のことを好きになったりしてるんだろうか」と想像するくらいです。ただそれが何になるのかと言われれば、本当に何にもならない。