おそらく空気は読んでいる

・ゴッドタン
谷桃子理解王。同番組で共演したおぎやはぎ劇団ひとりが絶賛する「空気の読めなさ」が一部で話題となっている(というか主に「ゴッドタン」でしか話題になってない)谷桃子のことを誰が一番理解しているのか、という企画。まあ要するに谷桃子をイジって遊ぼうというだけの話。


有吉弘行フットボールアワー後藤という鉄壁の布陣で臨んだものの、谷桃子の無軌道な暴れっぷりにやはりスタジオは困惑。最後まで谷桃子が暴れまくって終了した。番組はまあまあ面白かったと思う。


しかし、自分が見た感想を素直に書けば「おぎやはぎ劇団ひとりが大袈裟に言うほどのもんかなあ」である。そりゃあまあ確かに普通のアイドルとは一線を画すハチャメチャっぷりではありますが、かといって「空気が読めない」わけではないと思うんです。むしろ彼女なりに空気を読めた結果がああいう行動に繋がっている気がしないでもない。


自分の解釈では「空気を読む」という事は、「周囲の期待に応える」ということと同義である。周りが自分に対してどのような行動をすることを望んでいるのか、それを考えて周囲の期待に沿った行動をすることが出来る。これこそが「空気を読む」ということだろう。


もちろん最初は谷桃子に無軌道な行動を期待していたわけではないから、その点では「空気を読む」ことはできなかったのだろうが、こと今回の「ゴッドタン」に関しては、谷桃子が暴れるさまを期待されているわけだから、谷桃子がいつも通り暴れることは即ち「空気を読んでいる」と同じこと。ちゃんと谷桃子は空気を読むことが出来るのである。


その証拠に、終盤で谷は有吉に蘇生措置として胸を揉まれる場面があった。無軌道な人物とはいえ一応はアイドルであるし、有吉に胸をもまれたら気が動転してしまっても不思議ではない。しかし谷は驚きつつもそこにあったバットを利用してギャグを披露。見事不測の事態を乗り切った。乳を揉まれても企画意図を理解し「無軌道な谷桃子」を演じていた彼女が、空気が読めないわけがないだろう。


本当に「空気が読めない」のはにしおかすみこのような人間のことを言う。昨年の27時間テレビで見せたにしおかの「空気の読めなさ」は悪い意味でテレビ史上に残る醜態だった。あれに比べれば谷桃子なんて空気を読みまくっている。


だから谷桃子は「空気が読めない」のではなく、「敢えて空気を読まずに行動が出来る強心臓を持っている」と言ったほうが正しいだろう。「読めない」と「読まない」のでは大きく違う。


そんなわけで谷を面白がっている「ゴッドタン」ではあるが、単に「空気が読めない」という話に落とし込んでいるもんだから、正直「ゴッドタン」も谷桃子をうまく扱えているとも思えない。まあ実際は谷桃子そのものが本当に面白がる価値があるかどうかの問題のような気はするんだが。