流星のアダナ

流星の絆
面白かったですねえ。原作未読につき原作との違いに言及することは出来ませんけども、ベタながらも着地点がしっかりしていたとは思います。主演の二宮和也の抑える演技をはじめ、出演者たちの達者な演技にも助けられたとは思うがそれでも最終回視聴率が初回超えの22.6%は立派。平均視聴率で争っていた「風のガーデン」を最後に寄り切った。ただサスペンスドラマの最終回だけ見た人がいたとするなら、何のために見ているのかはさっぱり理解出来ないが。


コミカルな部分とシリアスな部分の融合に不安もあったし、事実上滑りしているような気もしたんだけどもストーリーに邪魔にならない程度には抑えてあったのでセーフだとは思う。中島美嘉の存在は最後まで謎のままだったが、そこはいいんだか悪いんだかちょっと判断がつかない。劇中で中島が歌うシーンがあったが、「風のガーデン」の平原綾香とは大きく意味は違う。まあ中島の存在がドラマの重さを少しだけ軽くしたとすれば、それなりに意味があったということなのかもしれない。


ドラマ本筋ではないけども光ったのはクドカンによる出演者のあだ名。戸田恵梨香の「地味」はどうかと思うが、錦戸亮の「濡れせんべい」、中島美嘉の「マユナシ」は笑った。特に錦戸に対する「濡れせんべい」は見た目からくるあだ名において「哀しきモンスター」(サンドウィッチマン富澤)クラスの形容だと思う。自分も今後錦戸に関しては「濡れせんべい」と呼ぼうと思う。


あと重要な役どころだった要潤が良かった。あまり要潤が役者として達者というイメージはなかったものの、物語前半のともすればギャグになりかねないギリギリの線を後半できっちりシリアスに戻してきたのは見事。詐欺パートがコミカルだっただけに、このつなぎをスムーズに行えたという点で要潤は実にナイスキャスティングだったのかも。


全体の評価としては「風のガーデン」と並んで今期を代表する作品といったところ。素直に面白かったです。