ドすけべ

山本モナが巨人の二岡とラブホテルに入るところを週刊誌に撮られたそうで。


山本モナといえば元々は朝日放送のアナウンサーであったがフリーになって「筑紫哲也NEWS23」のキャスターに就任。しかしその直後に民主党細野豪志議員との路上キス不倫写真をフライデーに撮られ、わずか5日で降板となったのはもはや伝説。オフィス北野所属だったことが幸いとなり、翌年の「お笑いウルトラクイズ」にて復帰。その後はバラエティタレントとして才能を如何なく発揮していた。


そんでもって今年の7月から「プレミアA」の後番組である報道番組「サキヨミ」のキャスターに就任。「NEWS23」の降板の仕方が仕方だっただけに、モナのキャスター業復帰はそれなりに話題となった。そして「サキヨミ」の広告においてつけられたキャッチフレーズが「私は、私に、リベンジするの。」であった。言うまでもなくモナがキャスター業のリベンジという意味。


しかし、である。その「サキヨミ」の第一回放送が終わった夜に複数で新宿二丁目のゲイバーに繰り出し、そこで巨人の二岡と一緒に酒を飲み、帰りのタクシーでそのままラブホテルに直行したというのだからこれはどう頑張っても騒動になる。


モナが事務所を通じて出した弁明FAXを一部抜粋すると

皆で場所を変えて飲みなおそうという話になり、二岡さんと二人でタクシーに乗りました。バーで一緒だった二岡さんの知人の方達も一緒に移動するものと思っていましたので、とても戸惑いました。又、勢いでキスを迫られたりもしましたし、記事で書かれている様な肩を寄せ合う雰囲気ではまったくありませんでした。


二岡さんは相当酔っていらっしゃった様なので、二岡さんの自宅方面の目黒に、向かってもらいました。その車中、二人で飲みなおそうと言われましたが、適当な場所が見当たらず、タクシーが着いたのが五反田のホテルの前でした。二岡さんに何度もホテルで飲みなおそうと言われ、お断りしましたが、路上で揉めるのも目立つと思いやむなく入りました。


そこでは、本当にお酒を飲んだだけで、他には何もなかったと天に誓って申し上げます。


しばらくして、私は二岡さんを残して先に出ました。

とのこと。「タクシーが着いたのが五反田のホテルの前」など、細部に突っ込みを入れたくもなるが、とりあえずは額面どおりに受け取っておくことにしよう。これを読んだら明らかに「不倫したがっている」のはモナではなく二岡のほうなんだが、このことについては誰も突っ込まないのだろうか。モナも恋人がいるとはいえ結婚しているわけではない。しかし二岡は既婚者だ。どちらかといえば責められるべきは二岡のほうのような気がするんだが、それなのに責められるのは専らモナつうのはおかしくないか。もっと二岡を非難してもいい。


とはいえ、モナは不倫写真が原因でキャスターを降板した過去があるにも関わらず、キャスター再出発となる新番組の始まった日に同じ轍を踏むような真似をしたという点でこりゃ責められても仕方がない。早くも「サキヨミ」降板まで囁かれている。しかしまあ「サキヨミ」スタッフがモナのこの騒動をサキヨミ出来なかった、というこれ以上ないオチがついているのだから、モナもろとも番組もやめるなら今に限るとは思う。リベンジ大失敗だ。


ただそんな一方で、「今更モナを起用しておいてこの程度で降板とかありえないだろ」とも思ったりする。


山本モナを起用するということにおいて、フジはどの程度の「報道番組」を期待していたのだろう。少なくともモナが降板した「NEWS23」のような報道番組ではあるまい。もっと弾力的にバラエティ色の入った報道番組になることを予期していたのではないか。だったら、この「モナまた不倫」という騒動もモナ自ら報道させて相対化させるくらいの余裕と気概を持てよと言いたい。こんなおいしい報道はないだろ。「サンジャポ」なら間違いなくやってる。ここまでバラエティに順応した山本モナをキャスターに復帰させるということが、報道番組としてどの程度の信頼度を持つと考えていたのかを自分は逆にフジテレビに聞いてみたい。


さらに言うなら、自分は報道番組のキャスターにほとんど倫理性を求めてはいない。もちろん殺人犯がキャスターをやられても困るが、不倫程度の不貞行為が発覚しようと、別に自分は知ったことではない。キャスターといえども人間。そこまで偉くもないし、存在自体が下品ですらある今のテレビが厳格な倫理性をキャスターにのみ要求するのはおかしな話だ。


以前に議員の年金未納問題が騒動になったときに、各局のキャスターがこぞって「私も未納でした」と一時降板するという事態になったときに「おまえらは何様だ」と書いたことがあった。税金でメシを喰い年金という制度を作った議員が自ら未納であるのは問題であるが、別に税金でメシも喰っておらず制度の不備で未納期間が発覚しただけのキャスターごときが議員と同列に自分を律するというのが、ただのナルシズム*1にしか見えなかったのだ。キャスターは特別な人間ではない。ましてや政治家と同列に語れる存在では絶対にない。


キャスターに多少後ろめたいことがあったっていいではないか。しかも最初から後ろ暗いことが分かっている人物を起用するならば尚更である。モナを起用するという時点で「また不倫があるかもしれない」という可能性に想像をめぐらすのは当然であり、今回のタイミングがあまりにあまりだったとはいえ、不倫が発覚したからといって激怒したり狼狽するのでは「そりゃあんたら覚悟がなさすぎ」と言われても仕方ない。


これだけバラエティに順応したモナを復帰させる時点で件の報道番組の「本気度」はたかが知れている。視聴者はそのたかが知れている番組の報道っぷりを察知し、モナが再び不倫をしたところで番組の信頼度にさほど影響が出ないことも予め理解して「別に続投して構いませんよ」と半笑いで手を差し伸べるより他ないだろう。



密かに面白かったのは、同日「ヘキサゴン」発のユニットである羞恥心の3人が主演のドラマの制作が発表されたのだが、よりによってヘキサゴン身内のモナによってかき消されたこと。水曜の放送で「明日のスポーツ新聞で重大発表があります」と紳助が吹いていたが、まさかモナの不倫報道にとって替わられるとは思わなかっただろう。これはこれで痛快。


さらにこの報道のおかげで影が薄くなった藤木直人も密かにモナに感謝しているに違いない。この話とかドラマ「正義の味方」の話は明日にでも。

*1:メールフォームにて「ナルシズムはナルシシズムが正しいのではないか」というご指摘を頂きました。調べてみると英語の綴り及び発音として正確なのは「ナルシシズム」であり同様に自己陶酔者のことは「ナルシスト」ではなく「ナルシシスト」というのが正しいようです。ただ、日本では一般的に「ナルシシスト」ではなく「ナルシスト」という言葉を使用するので自己陶酔主義のことも「ナルシズム」で正しいと思い使いました。どうやらどちらでも通用するみたいなので本文の訂正は致しませんが、個人的に勉強になったという感謝も併せてご指摘ありがとうございました。