義剛だもの

金スマ」で花畑牧場の特集。


番組の中身としては一年前に放送された「ソロモン流」とさほど変わらず。変わったのは一年前は実験段階だった生キャラメルがバカ売れしていたことくらいだろうか。牧場経営を志したきっかけとなった中学時代の友人の話とか、牧場の資金2億円を事務所の社長(現会長)に借りた話だとか、目新しい話は特に無い。


生キャラメルの大ヒットで牧場の収益が50億に行くとか行かないとか、具体的な金額を出すあたりが下世話ワイドショー最後の砦である「金スマ」らしい構成であったように思いますが、それより何より見逃せなかったのは、里田まい花畑牧場へ6年ぶりに戻したことだろう。


自分は一年前の「ソロモン流」に関する更新において

今一番心配なのは、義剛が「里田はねえ」と語り始めやしないかという点である。ヤツならやりかねない。

と書いた。一年越しでこういう事態になったことに関し、自分の心配が杞憂でなかったことを悲しむべきなのか、それとも一年は我慢していた義剛を褒めるべきなのか正直よく分からない。まあ結果としてこうなったのだから悲しむべきなのだろう。


ご存知の通り、と書くには中途半端な知名度であると思うので説明しておくと、里田まいは現在も「カントリー娘。」をひとりで継続中である。そしてカントリー娘。とはそもそも田中義剛が「半農半芸アイドル」という触れ込みで「農」のほうをプロデュースした(ちなみに「芸」のほうはつんく♂のプロデュースです)アイドルユニットだった。詳しいことは省略するが、里田がカントリー娘。に加入したのは牧場生活をしていた最後の一年間だけである。


もちろん里田が牧場生活をしていなかったわけではないし、番組でも披露していたように裸馬に乗りこなすほどの訓練は受けていた。これは事実。しかし、「半農半芸アイドル」というコンセプトのカントリー娘。は里田よりもりんね戸田鈴音)やあさみ(木村麻美)という旧メンバーが一手に担っており、この時期の里田は「農」に関しては途中で抜けたりんねの穴を辛うじて埋めるか埋めないか、くらいの印象でしかない。だから義剛と里田の間にはそれほど密接な関係があったわけでもないだろうというのがモーヲタだった自分としての見解であるゆえ、義剛が里田について語るという行為は、犯罪者の「当時を知る同級生」が語る薄ぼんやりとした印象くらいどうでもいいレベルだという認識。


重要なのは「ウソではない」こと。里田が義剛の牧場で住み込みで働いていたのは事実であるが、りんねやあさみに比べたらその「半農」の具合は比べ物にならないくらい浅いように思う。現在の里田の成功に義剛の寄与は薄い。だけども、りんねやあさみという旧メンバーがおらず、そして里田が売れてしまった以上は、そこらへんの話はいいように省略されて「里田が花畑牧場で働いていた」という事実が先に立ち、そして「田中義剛花畑牧場で生キャラメルと里田まいを生み出した」という眉唾な表現がなされるのだ。


どちらも同じ事務所の人間であり、そして今売り出し中の花畑牧場と売れっ子の里田を抱き合わせにすることは誰も損をしないわけで、この企画を否定する必要性がない。だから実際両者の関係がどうであれ、いとも簡単にこんな胡散臭い番組が成立してしまうわけである。自分からすれば商売っ気がますます出てきた義剛のいやらしさと、本来牧場なんぞ全く興味がない里田が仕方なく戻ってきたという感じが透けて見えて、「これ放送されて売上が落ちたりしないのだろうか」とか思ったのだが、どうなんだろう。


義剛の牧場にかける情熱だとか、ここ一番でちゃんと実績を残している手腕は評価に値すると思うんだけど、その一方で自分のやってることに関してどうにも下心を隠せない感じが自分はやっぱり嫌いなんだなあ。よく言えば素直なんだろうが、義剛はあまりに素直に下心が見えて下品すぎる。今回のだって詰まるところ「里田を最大限に利用した牧場の宣伝」でしかなかったのが分かりやすすぎてねえ。利用してもいいけど、そろそろもっと上手いこと出来るんじゃねえのかと思ってしまう。それが出来ないのが義剛クオリティか。