リストカッターケンイチ

2度の喫煙報道により事務所を解雇された加護亜依が芸能界復帰を宣言ほか色々。


芸能リポーター梨本勝が自身の携帯サイトで単独インタビューを配信。インタビューの様子は月曜の「スーパーモーニング」でも放送された。色々と触れておきたいツッコミどころ満載なのだけども、順番に処理していこう。


とりあえず「芸能界復帰を宣言」と書いたのは、前の事務所(アップフロント)は解雇されており再契約したという話はないわけで、「復帰したい」という願望はあるが、具体的な復帰の目途が立っていないため。梨本が「事務所は決まりつつある」というよく分からないコメントを残していたので、どこかの事務所に所属するのかもしれないし個人事務所もしくはフリーでやっていくのかもしれない。とりあえず芸能界に復帰する意欲はありますよ、という意思表示をしたに過ぎない。だから「宣言」である。


また、今後はアイドルとしてではなく女優として身を立てたいとも(梨本が)言っていた。加護は連ドラにレギュラー出演していたこともあったし(警察署長の娘であり、今となってはちっとも笑えない)、話題性もあるから、もしかしたら水面下でもう動いているのかもしれない。推測でしかないけど。


加護の最初の喫煙騒動の時にも書いたけど、あの事件の何がいけなかったのかは「未成年の喫煙」ではなく「“加護ちゃん”というパブリックイメージを持っているアイドルの喫煙」だったと今でも思っている。2度の喫煙+怪しいオッサンとのデートという要素で、過去のイメージが完全に壊れたのであれば、実は案外すんなりと復帰できるんじゃないかとも思ったりする。それを我々が受け入れるかは別として、だが。


その他の項目は箇条書きで。

リストカット

事務所に解雇を言い渡された後に試みたという。単なる発作的な自傷行為なのか自殺を試みたのか、どの程度まで真剣だったのかは不明(そもそもリストカットじゃそうそう自殺できないんだが)。芸能ニュースではこの部分が一番大きく取り上げられているが、個人的には「へえ」程度の関心しかない。

石本さん

と加護本人が呼んでいたデート相手のオッサン。交際の有無については否定も肯定もしなかったが、「これからも支えてくれる人」とうまく逃げた。スポンサーというかパパというか。まあ何でもいいわ。

家庭内不和

2度目の喫煙を撮られたのは両親が離婚した日であり、精神的に参っていたという話も。19歳の加護が一人で抱えるものは非常に大きかったのだろうが、それを相談する相手がオッサンだったり逃げる対象がタバコだというのは、やっぱりファンだった人間は悲しむんじゃないだろうか。辻はどこまで知っていたのか、とか思いますわな。

著作本

内容は明言されていないが、近々本を出す予定もあるらしい。モー娘。時代の暴露本だという見方も出来るし、加護が謹慎中の心境を綴った自伝のようなものかもしれない。いずれにせよ「注目の芸能人本」になることは確かだろう。まあ何にせよしょっぱい内容であることも間違いない気がする。



加護のインタビューを見たとき、モーヲタとしてどうこうとは別の「なんだかなあ」というぞわぞわした感情が腹の奥底から湧き上がってくるようだった。応援してあげたいとは思うが、その一方で冷たく見放す感情が出てくる。決して今でも加護が嫌いなわけではないのに、なぜこんな気分になるのだろうと考えたら、ある一つの結論に達した。


「未成年での喫煙発覚」「1年の謹慎処分」「事務所解雇」「リストカット」「年上の恋人」「家庭内不和」「著作本」「涙の復帰」……これらの項目・言葉を並べたときに自分は「これが本当に21世紀の芸能人の姿か?」と変な気分になった。なぜなら、これらの言葉が頻繁に飛び交うのは「Dのゲキジョー」「金曜日の告白」(いずれも同時間帯の番組。終了)などに見られる「昭和の芸能人が語る苦悩の日々」の世界だからである。「昭和も平成もなく、これが芸能界という場所なのだ」と説明されれば、今なら素直に納得するかもしれない。


そんなくらいに加護の現状は「ザ・(昭和の)芸能界」チックなのだ。そして自分の違和感の正体を説明するかのように、加護が梨本にインタビューされている光景は「Dのゲキジョー」で過去を語る芸能人そのものだったのだ。あれらの番組がもつ独特のキツさがそっくり。


加護のインタビューに対する感情は、ああいう「オバハン泣かせ番組」を見てしまったときの嫌悪に近い「なんだかなあ」と同じだった。加護が元モー娘。でありまだ20歳であるからすぐには気付かなかったが、なんてことはない自分の人生の不幸&反省語りをする昭和の芸能人となんら変わりがなかった。自分には加護が告白した内容よりも、加護が色々なことをああいう状態で告白することのほうがキツかったのだ。


「Dのゲキジョー」亡き今、この手の番組は「金スマ」だけになってしまった。とすれば、「金スマ」に加護が出演する日はそう遠くないんじゃないだろうか。二十歳にしてあの域に達してしまった加護に明るい未来はあるんだろうか。wow wow言ってみたところで答えは出ない。