ひとひねり必要

被取締役新入社員
講談社とTBSが組んだドラマ原作大賞の受賞作。社員のストレスのはけ口のために「被取締役(とりしまられやく)」として雇われた鈴木(森山未來)の話。


なんというか、発想だけが先行してしまったようなドラマだった。「被取締役」という発想が面白く、そしてまた彼をストレスのはけ口として置くことで部内の結束が固まるという発想も面白い。しかし、その発想だけで全てが完結してしまっており、転がし方があまり良くないというか、オチに困ってしまった感じ。ドラマの中では彼がひょんなことから成功するが、実力がないことに気付き元のポジションに戻り、結局失敗して足を引っ張ることで部内が結束し、と堂堂巡りのような展開。要するに落としどころに困った末のあの結論(オチ)なのだろう。貫地谷しほりが演じた女性と恋仲になるようなフラグがあっても結局さほど何があるわけでもなく。だとすればただ余計なだけだったのでは。


森山未來が演技の幅の広さを見せ付けただけのドラマだった、とはちと厳しい意見だろうか。