デメリットしかない


「塚地24」が完結。

5週にわたって繰り広げられたドッキリ「塚地24」であるが、今週遂にラストを迎えた。先週にいとうの事務所から「もう2度と会わないでくれ」という宣告を出され、今週塚地はいとうに会えるのかが最後の見所となったわけだが、結局塚地といとうは会うことなく、このドッキリは終局を迎えた。

正直、先週の盛り上がりがクライマックスで、今週は最後に塚地が「もう会えない」というメールをいとうから受け取り、店から寂しく去っていくところが最大の見所であったが、そこはもうオマケみたいなもんで、詰めの甘さを感じずにはおれない。

塚地にとっては「リアルタイムで進行するドッキリ」なわけで、全てが現実のように進行しているわけだが、いとうにとってみればドッキリの仕掛け人であり、その彼女がわざわざ事務所で怒られているシーンを挿入などしても、それはそれで何か面白くないような気がする。あくまで「塚地のみドッキリ」なわけだから、周りの人間が最大に楽しめるわけで、いとうが怒られているシーンを挿入したのは、「塚地24」というドラマをやっている、というスタジオでのオチに整合性を持たせるためだけで、あまり意味のあるようなもんではなかったと思われる。塚地の苦悩する姿だけで良かったのではないか。そこまで「ドラマ」という意味合いを持たせるものでもないだろうし。

まあ、本編の詰めの甘さは塚地に免じてここら辺で見逃しておくが、それを余り余って塚地の語録が素晴らしい。

「デメリットしかない」

塚地がいとうの事務所でいとうと塚地が写真を取られたことで、いとうにとって塚地がどういう存在であるかを担当者が発言したセリフであるが、これがかなり重い。塚地はこのシーンのあと、しきりにこの言葉を繰り返し、その度へこんでいたわけだが、確かにこの言葉はへこむ。「存在価値がない」以上に「存在していると迷惑だ」という意味ですもの。それはへこむ。こんな事ドッキリでも本人に言わないで欲しかったよ。

「もう恋なんてしないなんて…言うよ」

槇原敬之のヒット曲「もう恋なんてしない」のサビの「もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対」というセリフからであるが、このセリフも上同様非常に切ない。番組の最後のほうで、「へこんでいた塚地は全然面白くない」だなんて言われていたが、このセリフだけ取ってみれば、それほど面白くないとも思わないです。実際こんな事テレビの前で(ドッキリだとはいえ)発言する人は貴重です。


前にも書いたが、やはり塚地は塚地で騙し甲斐のある人間だってことがよくわかった。あまりに本気になるので、少し気の毒にも思うが、それを超すほどのいい味を醸し出している。ただ、塚地にとって何より辛い事実は、今回の「塚地24」のいとうが「あくまで演技」だと断言したことではないかと思うと、やはり同情したくはなるが。心優しき男塚地、優しいから騙し甲斐がある。