出川のプロポーズ

「ロンドンハーツ」にて、出川のプロポーズ実況中継。

正直、これを書いている時点ではまだ番組が終了していない。途中まで見ていたけどあまりに引っ張りが長いので飽きた。出川にまつわる芸能人から全く関係のなさそうな芸能人が途中で出てきたりしてうざったいし、出川そのものは普通のデートをしているわけだから取り立てて面白いわけでなく、それどころか出川の本気恋愛が見られるわけだが、そっちには興味ない。

そもそも出川のプロポーズで2時間半どれだけの人間の興味を惹きつけておけるのかが自分には判断がつかない。せいぜいいいとこ2時間だとは思うのだが、素材の編集等を考えると2時間半になってしまったのか。でも途中に余計なコーナーも入ってたしなぁ。番組は出川のプロポーズで2時間半引っ張れると判断したんだろうけど、割と出川が好きな自分でも耐えられなかったのだから、果たしてどれだけの人間がこの番組を完走できたんだろうか。

とりあえずこの話は置いておくとして、話を進める。

この番組を見た人にとって「出川のプロポーズ」が持ちうる番組としての魅力はどこだろうか。

きっと番組の意図するところは「もてない出川がプロポーズ」という「もてない」にウェイトが置かれているような気がする。もてないからこそ、プロポーズが成功するかしないかがポイントになってくるわけだ。その「ハラハラ感」をひとつ見世物として成立させたいということは考えられる。

また、「抱かれたくない男」というキーワードもある。抱かれたくない男に輝いた男に抱かれる女性は誰か、なんていい方だと下品なのかもしれないがそういう興味本位の部分は間違いなくあるだろう。普通に顔出ししていたし、これもまあ目的のひとつにはなる。

そしてこれらをひっくるめて「モテない男がプロポーズという人生の一大場面において最高にカッコよくなる」という感動のスパイスが加えられて完成だろう。ロンブーの淳が涙を流しているVTRが挟まれていることからも判るように、最終的には「出川カッコええ」という感動で締めたいはずなのだ。もちろんそっちのほうが番組だって盛り上がるだろうし。

プロポーズが男性にとって人生における大きな見せ場であり、決まれば最高にカッコいいのであろう。いや、自分はプロポーズしたことないから本当にカッコいいのかはわかりませんが。でもこの「かっこよさ」が増幅されるにはやっぱり「普段はもてない」とか「ださい」とか「抱かれたくない」というマイナス方向の要因があったほうがカッコよさとか感動とかというのは大きいはずである。もちろん番組はそれらをひっくるめた大きな感動を提供したいわけだ。

ただ、残念なことに自分にはこの図式が素直に当てはまらない。

基本的に出川はモテている。

自分にはこのような認識があるからだ。

確かに出川は「モテないキャラ」だし「抱かれたくない男」として通ってはいるが、メディアなどにおける出川の発言を丁寧に追っていけば、出川にはほぼ常に彼女が存在していたことがわかる。別にとっかえひっかえ彼女がいたというわけではないが、そんなに「モテない」というわけでは全くない。むしろ彼女があまり途切れることなく存在しているのは「モテる」と言ってよいのではないだろうか。
そこで質問。「モテる男のプロポーズ」を見るのは楽しいだろうか。

結論から述べれば、きっと楽しくない。見て楽しいのは「モテない男のプロポーズ」なのである。つまり、この企画に面白さを見いだすには出川に対して「モテない」という認識があることが条件であるように思える。ここが難しいところなのだ。

きっとこの番組を見た大半の人は「モテない出川」というイメージのまま番組を見たはずなので何の問題もないと思う。けど、自分のように「本当は出川はそんなにモテない男ではない」という認識がある人間はこの番組を見るときにどこにポイントを置いて見ればよいのかわからない。プロポーズという現象そのものを捉えて「お幸せに」とか思ったりすべき類のもんでもないだろうしな。詰まるところ、よっぽど番組そのものが面白くない限りプロポーズそのものに興味をそそられないということである。


ここでやっと冒頭と話が繋がるのだが、結論として、本当はモテないわけではない出川哲郎のプロポーズを、さほど上手いとも思えない番組構成において2時間半最後まで見ることが出来たであろうに人間というのは、「出川にある程度興味があるがモテないキャラだと認識している」うえに「ロンブー司会が苦にならず、あのようなかったるい構成を長時間見るのに耐えることが出来る」人間に限られるわけだ。どれかひとつでも欠けるとたちどころにつまらない番組に転化してしまうわけで、そんな番組をどれだけの人間が見たのか、結論は言うまでも無く「いないんじゃねえの」である。

これで裏の「ニューヨーク恋物語」より数字が良かったらいろんな意味で落ち込む。