サドンデス


いつのまにかサッカーの延長戦のことを「サドンデス」と言わなくなった。サドンデスとは日本語に訳せば「突然の死」であるが、やっぱり聞こえがよくないからだろうか。別にVゴールだろうがサドンデスだろうが、サッカーの場合はどちらでも大した差ではないように感じる。

それはどうでもいいとして、火曜日のフジテレビにてサドンデスが起こった。「パンドラの秘宝」という番組が何の前触れもなく打ち切られたのである。

自分は毎週「週刊ザテレビジョン」を購読しているのだが、先週買ったテレビジョンには「パンドラの秘宝」は終わることになっていない。だけど今朝の新聞を見たら番組欄に終マークがついているではないか。自分はどっちが本当なのか考えたが、もしかしたら札幌だけ地方終了なのではないかと思って(地方局だけ打ち切りというのはたまにあるもので、関西地方で「ガキの使い」が打ち切りになったという話が記憶に新しい)フジテレビのHPを確認してみたら、やっぱり終了で間違いない。

そういう事情もあって多少気になったので録画をしてまで、「パンドラの秘宝」の最終回を見ることにした。この番組を分かりやすく形容すれば「ニセ世界まる見えテレビ特捜部」である。「世界まる見えテレビ特捜部」はたけし・所・楠田司会の日テレの長寿番組であり、海外の面白いVTRを紹介するという内容であるが、この番組はまさに「まる見え」そのままである。

なもんで、録画したビデオの半分以上は海外VTRであり、特に興味もないから早送り。かといってスタジオの部分がどうなのかと言えば、爆笑問題と中野アナの司会でゲストとそのVTR関連の話題について語るという構成もまるっきり同じ。ここまで同じだともうどうでもよくなる。

というわけで、見所は「サドンデスの処理」のみに向けられた。テレビ雑誌には終マークがついていなかった(つまり、当初の予定にはなかった。しかもテレビジョンに書いてある放送内容と今回放送された内容は同一だったことも付け加えておく。)打ち切りなので、当然収録したスタジオVTRにも、最終回について全く触れる様子がない。そりゃそうだ。誰も終わるだなんて思ってないんだから。だから、制作側は一体この番組をどのような形で一応のケリをつけるかに非常に興味が沸いたのだ。

結論を言えば、投げっぱなしである。最終回だとかいうことには全く触れず、なにもかもうやむやに終わってしまった。しかもその最後のVTRの内容が「消えた巨大貨物船を追え!」という、ドラゴントライアングルと呼ばれる魔の三角海域に消えた船の話である。

消えたのは船じゃなくて番組そのものだった。

そういうベタな解釈をしていいもんなのかどうか分からないが、元々放送されるVTRは決まっていたのでおそらく偶然であろう。それにしても、こんなに急に打ち切りを決めなくても良かったんじゃないかと思うぞ、フジテレビ。確かに火曜8時は「さんま御殿」「学校へ行こう!」などバラエティの激戦区であり、フジが苦戦しているのは分かる。だからこそもう少し腰を据えてやってみても良かったんじゃないのとも思うのだが。まあ露骨なパクリ番組を置いてるようではやっぱりダメなんで、それほど間違った判断でもないのか。



友人と協議した結果「見たいけどビデオを録画するほどでもない番組」大賞に
タモリ倶楽部」が選ばれました。