鈍すぎる曙

東京フレンドパーク2」に曙と朝青龍。予想外に金貨を4つも獲得して中々見ごたえはある放送だったものの、圧倒的に印象に残ったのは動きの鈍すぎる曙だった。

まず「ウォールクラッシュ」だが、これはしょうがない部分もある。加速力がつかずに鈍くて飛べないというよりは、体重が重くて飛びたくても飛べないという解釈のほうが正しいからである。まあそのせいで朝青龍の機敏さが余計に目立ったわけだが。

しかし、曙が鈍すぎるという印象を確固たるものにしたのは次のアトラクション「チューチューバスターズ」である。このアトラクションは制限時間内にもぐらたたきの容量で出てくるねずみをボクシンググローブで叩き、決められたポイントを取れればクリアというものなのだが、このゲームにおいての曙の動きが最高に鈍い。

「制限時間内にできるだけ多くたたく」というのがこのゲームの唯一のルールであると言ってもいいのに、曙はそれを理解していないのか、それとも理解してても体が全然動かないのか、ねずみを出来るだけ多く叩こうという意欲が全く感じられないくらい動きが鈍いのだ。あんなにスローペースであのアトラクションをやっている人間は自分が見た中ではいない。それに比べて朝青龍の動きはやっぱり機敏。あれは曙が先輩横綱じゃなかったら、間違いなく朝青龍は頭突きの一発でもかましたくなるような鈍さだった。

ゲームそのものを理解していなかったという可能性もあるが、たぶん違う。体が単純に動いていないだけだったのだと思う。あれがもし単に現役を退いた横綱曙親方であったならそれでも許されただろう。現役を離れて暫く経ったから、あれだけ動けなくてもしょうがない、と。ただ、今の曙は違う。格闘家なのだ、仮にも。勿論格闘家としてのキャリアは短いが、それでもあれだけ話題をさらってあっさりと1RKOされたという輝かしい(決してバカにしてないですよ)戦績を持った格闘家なのだ。それがあのザマとは、正直げんなりである。

格闘家に必要なのはパワーも大事だがそれと同時にスピード、ならびに運動量も大事である。なのに、あの程度のスピードも出ないでスタミナもそれほどない。それはやっぱり格闘家として致命傷なのではないだろうか。スピードと運動量、このふたつは横綱時代にはそれほど求められなかった要素ではあるが、それにしてもショボすぎる。

曙は次の試合で日本人のK1ファイターの武蔵(今キーボード打ち損じて「むさい」になってたけど気付かなかった)と闘うことが決まっている。自分は武蔵の強さがいかほどのもんか知らないが、少なくとも今の曙に負けるほど弱いとは思ってない。というか、今の曙に負けるほど格闘家ってのは弱くないような気がする。あれほどスタミナの無い格闘家ってのは、もはや格闘家じゃないだろ。

かといって自分が闘っても勝てないというのは当たり前。よくこういう批判を書くと「ならオマエが闘え」とか言い出す人間がいるんだが、何が楽しくてそういう面白いことを言えるのかが自分にはわからない。


自分が思うに、曙の格闘家としての使命は年末ボブサップにやられた時の倒れ方とあの震え方で既にまっとうしたのではないかと思うのだが。あれ以上の面白を曙が格闘において演じることはできないと思う。