死ぬほど笑った

クイズ☆タレント名鑑
史上最大ガチ相撲トーナメント2011秋がおそらく今年最高にバカだったので感想を書いておきます。


タイトルのごとく出場者がガチで相撲を取るだけのもの。出場者が元力士を含んだり現役バリバリの格闘家が出てきたりと、後半に行けば行くほどガチ度が増してくるわけだが、自分が面白かったのはもちろんガチの部分ではなく、ガチとはほど遠い(と言っても本人たちはガチ)へっぽこ対戦で笑わせてくれました。なかでも面白かった取組を2つ紹介してみよう。


まずは「山田勝己VSあかつ」の取組。


山田勝己といえば日本で知らない人はいない、というのは少々大袈裟ではあるが、この駄文を読んでくれている方ならば知らない人はいないであろうミスターSASUKEである。とはいっても2005年のSASUKE以降1stステージをクリアしていない「無冠の帝王もいいとこ」を体現している面白おじさんである。しかし20111年の今現在彼がミスターSASUKEの名称を剥奪されないのは(つうか返上しないのか、とはいつも思うが)、「こんなゲームにマジになっちゃってどうするの」と、たけしの挑戦状ばりに言いたくなる世間のSASUKEに、そして山田師匠に対するイメージを一身に背負っているからに他ならない。


そんな山田師匠が今回ガチ相撲トーナメントに出場した理由は「SASUKEの宣伝」である。来週に放送を控えたSASUKEの宣伝であり、仮にもオールスターズでミスターSASUKEを名乗る師匠が芸人あかつに負けるはずがないと余裕の発言。師匠のこの漲る自信ははやいとこ本編のSASUKEにも生かしてほしいところであります。


一方で山田師匠の対戦相手は番組内でも相撲の武者修行に出ている芸人あかつ。相撲とエクササイズを融合した「すもササイズ」のネタでおなじみ、というまでは少々厳しい知名度ではあるが、お笑い好きなら一度は見たことがある顔。そんなあかつが以前番組内で戦った地下格闘技集団「三河幕府」のトップとして登場。自分は以前にこの放送を見ていて、これも相当にくだらなく(バカバカしいという意味ではなく、いろんな意味で「ガチンコ!」テイストに溢れていて面白かった、という意味。*1


取組そのものはあかつが貫禄の勝利でさほど面白い点は見当たらず。ただ、毎回毎回1stステージで敗れているだけあって非常に素晴らしい敗戦の弁を述べる山田師匠に対し、有吉が「あの人毎回毎回反省はしっかりするんだよな」的なことを言ってるのはすげえ笑った。よくぞ山田師匠に伝えてくれたと思う。


もうひとつ笑ったのは柳龍拳VS菊田早苗の取組。取組つうか、ただのコントだったけども。


柳氏は合気道で相手を倒す達人であり、紹介VTRの煽りもかなり凄まじかった。触れてない相手がガンガン倒れていく。「合気道ってそんなんだったっけか」という視聴者のかるーいクエスチョンマークを尻目に、すげえ奴がやってきたと思わせてくれた。実際の試合相手はヴァンダレイ・シウバだったのだが、シウバが収録前に負傷していたために、急きょ菊田早苗に相手が変更。んでもって取組始まって数秒、菊田が柳のじいさんを軽く土俵から突き落としておしまい。「まさか気で菊田をブッ飛ばすなんてことはないだろう」と思っていた自分も、このあっけなさすぎる、そしてマンガのような展開に腹を抱えて笑ってしまった。


この柳というじいさんはネットではけっこうな有名人らしく(自分は全然知らなかったが)、検索してみれば出てくる出てくる怪しげなモノが。特に探偵ファイルが企画した試合でボコボコにされるさまは、今回の相撲の比ではないので、興味のある人は検索してみるといい。結果が分かり切っているだけに時間の無駄かもしれないけど。


なんだろう、結末はどうあれ(というか作っている側も結末を見せるためにこの企画をやっていない空気がうかがえる)、テレビを見ている最中久々にいろんな意味でワクワクした。とっくに手垢の付いているような企画であっても、見せ方次第ではまだまだ面白く見せることが可能なんだと改めて思わされた。まだまだ当たり外れの多い番組ではあるように思えるが、「クイズ☆タレント名鑑」は今後も侮れない存在だ。そういや頑なにクイズ番組を貫いているところもいい。同局の「ぴったんこカンカン」と同じノリである。

*1:クイズ☆タレント名鑑」の演出は「ガチンコ!」と同じ合田隆信