欠陥住宅

日曜日にテレ朝系列で「最高住宅ベスト10VS最悪住宅ワースト10」という番組をやっていた。全部ではなく、最後のほうをチラっと見たのだけど、これがまあなんだか面白かった。

いや、正直「最高住宅」なんて興味ないです。ただのいい家だもん。自分が住めるわけでもないし。面白いのは「最悪住宅」のほうである。「最悪住宅」と言ってはいるが、要は「欠陥住宅」のことであり、「我が家がこれだけ酷い欠陥住宅に住んでます」と家主が晒してくれるわけだ。わざわざ欠陥自宅を晒すなんてことをやる家主はマゾなんだろうか。まあ、「同じような被害者が出ないことを願って」という建前でもって出演料がいただけるのであれば、欠陥住宅も晒す、つうことなのだろうが。

でまあ、自分はワースト3を見たわけだけど、どの家もなかなかの欠陥ぷりだった。今住宅のリフォームがブームであるが(そういえばこの枠は本来、ブームの先駆けとなった「ビフォーアフター」の枠だ。だからこんな放送やってたのかと今ごろ気づく)、そんなリフォームブームに警鐘を鳴らすべく「これでもか」と言わんばかりの酷い欠陥住宅が登場。

で、確かに家主さんの悲痛な叫びを聞くと「可哀想」とは思うのではあるけども、それよりもやっぱり自分は不謹慎ながら「面白い」という気持ちが先立ってしまう。そりゃ「気の毒だ」とは思うのですよ、これでも一応。けど、それ以上に「うわー、こんな状況の家ってマジであるんですな」という妙なワクワク感を自分の中で押さえられないというのが本音である。同時に「自分の家じゃなくて良かった」とも。本当に他人事だからこそ笑えることってあると思うのだが、これが最たる例。

きっとこういうワクワク感を欠陥住宅に感じている人は自分だけじゃないはず。じゃないと、こんな酷い欠陥住宅をワースト10形式で放送するなんて与太を誰も許さないもの。自分と同じような感覚があるからこそ、欠陥住宅の酷さを放送するという行為が成り立っているはず。

この考えを一歩進めると、これだけ酷い欠陥住宅ならば実際に体感してみたい、という「欠陥住宅マニア」が登場してもおかしくないのではないだろうか。廃墟マニアがいるんだから、欠陥住宅マニアがいたって不思議ではない。

そんでもって、こんだけ欠陥住宅が世間に蔓延っているのであれば、「最初から欠陥住宅がウリ」という家は出現しないのであろうか?これって逆転の発想だと思いませんか?コペルニクス的転回てやつですよ。需要もあれば供給もある。きっと売れると思うんだが。名前も勝手に「アウトレット住宅」とか名づけたりしてさ。「ちょっと欠陥があるぶん、お安く提供します!」だなんていう触れ込みで。

買うほうも欠陥承知で購入しているんだから、誰からも文句は出ないでしょう。ま、実際に欠陥住宅に住みたいという酔狂な人が存在すれば、の話ですが。前述したように、他人事だからこそ笑える話で、自分は欠陥住宅に住みたいとは思わないですから。あと供給過多の可能性も。