凄い。だからどうした。


「TVチャンピオン」で「3分スピード料理王」。

全部見ていたわけではないのだが、ちょっと見た限りではなんだか凄いことをやっていた。まあタイトルの如く3分という短時間で料理を完成させるわけだが、その料理は普通に作れば手が込んでいて3分では出来ないようなものである。自分が見たときにはビーフシチュー作ってた。

でもそれを3分で作っていた。勿論通常の調理法で作れるわけがなんく、そこはスピード料理人がひと工夫して作ってしまうのである。ビーフシチューにはコンビーフ使っていたんだけど、それはそれで「ビーフシチュー風」ってことでいいんだろう。

しかしまあ、それにしてもこの企画、一体何が楽しいのかさっぱり分からない。

TVチャンピオンには「料理」というジャンルが立派に存在するわけで、それこそケーキ職人選手権の時などは真剣に「美味そうだなー」と思いながら見ていたりするわけであるが、今回のスピード料理は「無駄に速いな…」としか思えない。

勿論「手際が良い」という評価は出来るものの、3分という時間制限があるわけでその時間に間に合わせる為に非常に焦るもんだから、はっきり言って汚いのである。食べ物なのに汚い。なにそれ。

おそらく出場していた選手の人だって、普段いくら「スピード料理」を得意としているからといって3分で調理を仕上げるなんてことはしていないと思う。自分が見た限りではみな選手は3分以内に調理を仕上げていたが、あれだって相当練習してきたに違いない。練習していないと3分なんて数字はおおよそ無理な数字である。

確かに3分という数字は分かりやすい。インスタントラーメンが出来るのが3分であり、テレビで一部始終放送しても3分だから収まりがよいのだろう。ただ、スピード料理の定義がなまじっか3分になってしまったことで、汚い調理をされたのではなんだか気持ちも萎える。いくら料理そのものが美味そうであっても、その行程が汚いとかいうのは最悪だ。余談ではあるが、平野レミの料理も若干同じ事がいえる。


確かに3分で料理を仕上げ、それがそこそこ美味そうに仕上がっているのは凄いと思う。しかし、3分で調理をする機会など現実では殆ど遭遇することがない。料理という最も実用的なジャンルであるにも関わらずちっとも実用的ではない。なもんで、番組を見たことによって残る感想は「凄い。だからどうした。」としかならないのだ。これってよく分からないマニアな知識を競い合っているのより「だからどうした」感が強いと思います。

正直、もし知人がチャンピオンだったとして優勝を自慢されても素直に喜んであげられる自信がない。別に3分で料理作ってもらわなくても、自分は普通に作ってもらって普通に美味しいほうが嬉しい。