化膿

今回の「しくじり先生」もなんか酷かったですね。

 

最近ここで「しくじり先生」について「Abemaで完全版やってるんじゃねえバカヤロウ」しか書いていないような気はするんですが、今回はその遠吠えすらするのが可哀想な感じです。

 

先生として登場したのは春名風花。通称はるかぜちゃんですね。「ウソ泣き子役」としてちょっと有名になった人。現在18。年齢=芸歴なので(赤ちゃんモデルやってた)すっかりもう30くらいのイメージすらあるんですが、まだまだ若者。

 

んでまあ自分はてっきり「SNSでイキってしまった先生」かと思ったんだけど、「銭ゲバ」先生として登場。そりゃあ0歳から稼いで、なんなら自分の親よりも稼いでしまったら価値観がお金に置き換わってしまうのは何ら不思議ではない。その例として弟のおもちゃをお金で買う(自分が稼いでいるからとお金でぶんどる)なんてエピソードが登場する。稼いでいる子役あるあるなのかもしれないが、その時点で親がしっかりと「それは違う」と方向修正できなかったことが原因だろうなあ。半分本人のせいだけど、これは半分親のせいなんじゃないかと思った。

 

というわけでお金基準の価値観をこじらせてどんどん周囲から嫌われていくはるかぜさん。そりゃあ嫌われるわな、という感じ。twitterで発信するようになってからは嫌がらせも受けるようになり、自分がちょっと違っていたんじゃないかということに気づき、「お金じゃ買えないものがある」という至極ベタな教訓で地上波版は終わる。Abema版は知らん。

 

で、これを見て自分の素直な感想なのだけど。

 

はるかぜさん現在進行形で嫌われてませんか?

 

今回のエピソードが20年前の出来事で、そこから反省した先生はイチから人間関係を構築し、現在では多くの人に愛されているなんて話で終われば「しくじり先生」としての役目は全うしていると思うんだけど、たかだか数年前の出来事。みんなはるかぜさんの「当時」を覚えており、誰も許しちゃあいないと思うんですよね。特に小学校の同級生、当時子役として仕事で接したADとか共演者に感想を聞いてほしいですよ。みんな一様に「イヤなやつだった」って言うんじゃないっすかね。

 

そして何より大事なのは、地上波の30分の短い時間で、はるかぜさんの「いやあこの人友達いないんだろうなあ」というのが伝わってきたこと。もちろんエピソードも酷いんだけども、なんだろう、その振る舞いや思考回路が透けて見える。そしてこれは一朝一夕でなかなか変わらない厄介なやつ。本人としてはそれは伝えるつもりじゃなかったのかもしれないけど、伝わってしまうんだよなあそういうのは。

 

もちろんはるかぜさんが遅かれ早かれ諸々「気づいた」のであれば、それはそれで素晴らしいことだし、これからちゃんと人間関係を構築すりゃあいいので悪いことじゃない。しかし今はまだその傷口が完全に塞がっていない。「しくじり先生」としての面白みが出るのは傷口がふさがり、かさぶたになり、そしてキレイになってからである。今のはるかぜさんはこの件に関して傷口がふさがっていないどころか、完全に化膿した状態だろうよ。これからどうやってかさぶたにしていくか、の段階でここに引きずり出されるのはやっぱり無惨だよなあ。

 

なので自分は見ていて「この子はまたこれで金を得て、そして人間関係を失っていくんじゃないのかなあ。大丈夫かなあ」と思ってしまった。「当時の」はるかぜさん基準で行けば、自分より収入のない人間に言われても響かないだろう。そしてこちらの立場から言えば、はるかぜさんが今後どうなろうと知ったことではないのである。だから、まあ、いいんじゃないかな。