「THEカラオケ☆バトル」を3倍くらい楽しめるガイド(U-18編)

ここんとこしょっちゅう呟いているのですが、「THEカラオケ☆バトル」が楽しくて仕方ない。


「THEカラオケ☆バトル」、通称「K☆B」(ケービーとでも呼べばいいのか)は、マチャアキ柳原可奈子が司会を務め、素人やプロ歌手が入り乱れてカラオケの点数を競うという、本当にただそれだけの番組である。難しいルールとかない。基本はカラオケマシン「cyber DAM」の採点機能である「精密採点DX」が出す点数を競うだけのもの。機械だから「聴いて感動した」とかいう主観は一切関係がない。機械が判断する項目をクリアすることではじめて100点が出るのである。


どっかの飲み会やお祭りでやっているようなことを、大々的に番組として放送する。こんなの面白いのかと思われるかもしれないが、まあこれが面白い。放送を重ねるごとに出場者のキャラも立ってきた。ただ点数のハイレベル化が著しく(大きな大会では100点を獲らないと勝てないレベル)、番組としてはピークを迎えつつあることを認めながらも、もう少し楽しむ余地がある今、この番組を改めて紹介したいのだ。


自分が知る限り、この番組が他媒体に取り上げられるのを殆ど見た事がないので「オマエの中だけで流行ってるだけじゃねえか」と言われそうだが、それもまた違う。番組HPには「社員を名乗る人間がカラオケバトルの出場を持ちかけて多額の金銭を要求する人物がいる」という注意書きが掲載されている。詐欺の口実として使われるくらいに「その界隈」ではメジャーな番組なのだ。また、「ミスターカラオケバトル」と呼ばれる林部智史は、この番組で有名になりメジャーデビューも果たす。デビュー曲「あいたい」は今話題(笑)のレコ大の新人賞にノミネートされるなど、じわじわと知名度を上げている。


そんな自分がハマりにハマっている「K☆B」だが、中でも特に面白いのは「U-18大会」である。「U-18歌うま大甲子園」というタイトルが冠されるように、子供達が歌で競い合うさまは甲子園と同様の、いやそれ以上の熱戦なのである。今回自分はU-18大会常連の出場者を通して、個人的な見どころ書いてみようと思う。少しでも興味を持った方は是非ご覧いただきたい。


・「U-18四天王」
初めて見る人には「なんだそれ」と思われるだろうが、番組ファンにはおなじみのこの言葉。KBの基礎知識みたいなもんです。U-18出場者の中でも特に強く成績の良い4人を「四天王」と呼んでいる。以下簡単な紹介と個人的見どころ。

堀優衣(ほりゆい)

番組全出場者の中でも屈指の実力を誇るグランプリ大会決勝に残った出場者に与えられる称号「トップ7」も併せ持つ、「U-18四天王」の中でもトップの実力を持つ女子高生。現在6冠。

母親がブレーンについているので、選曲は70年代の歌謡曲から00年代の割と最近のものまで、割と手広く歌う印象。一番選曲が自分好みでもある。歌唱に関しては音程を外さないようにかなり丁寧に歌う。この点に関して「原曲の良さが分かってない」という批判もあるようだが、彼女は決してそのようにしか歌えないわけではなく(実際彼女が歌う他の動画を見れば分かる)、カラオケバトル用に仕上げているのである。まさに「勝ちに来ている」わけで、その姿勢はもはやプロ。U-18大会ではもはや負ける気がしないくらい強い。歌う姿も声もカッコいい。しかし満点を出すとぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶ姿がかわいい。自分がオッサンであることを棚に上げればイチオシの女子高生である。あまり大声では言わないほうがいいのかもしれない。


【追記】4時間SPでも圧倒的な強さを見せつけていた。特に決勝で歌った「アメリカ橋」(山川豊)は「まさに四天王!」という選曲。元々演歌の人ではあるんだけども、まさかここでという選曲すぎてステキすぎる。あとは一日署長を務めたときの制服の恰好で増産されていたご両親手作りウチワのバリエーションが多すぎて、一枚欲しい。これで酢飯作って怒られたい。

鈴木杏奈(すずきあんな)

四天王最年少の中学生。出場当初は小学生だった。現在4冠。

選曲や歌い方、表情など堀と似ている部分が多く、「リトル堀」的な印象が強い。化粧まで似てる気がする。そのせいか、なかなか堀に勝つことができなかったが、先日放送された2016秋のグランプリにおいて、予選100点を叩き出し堀を上回ることでプレッシャーを与えた。出るたびに点数が高いところで安定している強さ。堀優衣がいない大会では無双状態。まだ伸びしろがありそうな若者。


【追記】4時間SPで遂に宿敵堀優衣を撃破しU-18グランプリ戴冠。今後も鈴木・堀の対決はゴールデンカードになるんだろうなあ。今回もオッサン好みの選曲でまいった。決勝で歌った「white love」(SPEED)がフルサイズの動画で上がっているので、見ていない人は是非。ただ予選で歌った「あゝ無常」(アンルイス)もかなり良かったので、こっちのフルサイズもどうか公開してくれませんかね?

角田龍一(つのだりゅういち)

四天王唯一の男子。優勝は1回だけながら四天王。

一時期は成績が低迷し、成績不振による入れ替え戦を何度もたきつけられていたが、そのたび防衛しているので強いのは強い。特筆すべきはツヤのある歌声。歌声が生きる選曲(女性ボーカルもいける)に加え、最近さらに歌声にツヤが増しており、カラオケの点数ではなく「聴いていて心地よい」という観点では四天王随一。ライバル西岡龍生との対決に紙一重で勝利したときに流した涙は屈指の名シーン。四天王の中では一番リア充っぽいのもよい。


【追記】司会(番組上は「カラオケバトルを開催する支配人」という扱い)のマチャアキの代表曲「さらば恋人」を甘い美声で歌うも、一歩届かず。今回ライバル西岡が決勝進出したことを受けて、また入れ替え戦勃発ではなかろうか。大変だ。

佐々木麻衣(ささきまい)

悩める四天王。4冠ながらここ1年半は優勝がない。

中学生ながらその風貌と落ち着きと貫禄から最もキャラが立っている。それは選曲にも顕著で、自分が生まれるはるか前の昭和のシブすぎる歌謡曲を歌いこなす。何事にも動じないように見えるが、高得点を出しながら負けた後でエレベーターで泣いている姿は中学生には見えないが中学生そのもの。最近では少し大人になったようでほんのり痩せてきた。自分はその苗字と体型と圧の強さにリスペクトの意味を込めて「まーりん」と呼んでいる。賛同者は誰もいない。


【追記】まさかのグランプリ病欠。まーりんはちょいちょい病欠するので驚きはしないが、体調云々よりもメンタル的にやられてるのではなかろうか。大丈夫かまーりん。年末に発売されるカラオケバトルのアルバムに収録される曲には参加していたから大丈夫だろうけど。次に期待だ。



・他にもいる個性的な出場者

西岡龍生(にしおかたつき

弱気な風貌と言動とは裏腹に、伸びやかで綺麗な歌声で魅了する高校生。前述したように四天王角田と幾度となく入れ替え戦を行っているが、最終的には角田に退けられているあたり勝負弱い。角田がU-18を卒業した後の四天王はたぶん彼。選曲が割と新しめなのはこの番組では珍しいので、彼がいると楽しめる。

【追記】今回予選で高得点を叩き出し決勝に進むも、敗北。以前よりも声が太く出ているので選曲の幅が広がるのでは?という期待。

竹野留里(たけのるり)

北海道の民謡女子高生。バスケ部に入っていたのに退部してカラオケバトルに打ち込むことに*1。当然と言えば当然だが、自分の得意分野である演歌や民謡を歌うことが多い。これでポップスとか歌って高得点出したらもっと魅力的かも。メガネっ娘なので、いつメガネを外してくるのかは注目しておきたい。

【追記】グランプリ欠場。

佐久間彩加(さくまあやか)

カラオケ大会におけるトロフィー獲りが趣味の小学生。先日エイベックス主催の「キラチャレ2016」においてグランプリに輝いた実力は折り紙つき。これだけ実力がありながら謙遜するさまはもはや謙虚というよりイヤミだが、受け答えはとっても優等生。ただ選曲が「私歌上手いですよ」という人が好んで歌う曲ばかりなので、その点つまらない。カラオケバトルを見ていると「歌上手が好む選曲」ばかりになるので、そこらへんを裏切ってくる人がやっぱり面白い。

【追記】今回も謙遜というイヤミをいかんなく発揮して決勝へ。あとはもう選曲だけ。自分しか言ってないんだけど。

小豆澤英輝(あずきざわあいき)

のびやかな高音が光る男子。ただ、元プロ歌手のお母さんの指導が厳しすぎてなんかもう大変。彼は一生母親の陰におびえながら歌い続けるのかと思うと、歌声の素晴らしさとは何か違う別の感情が沸き上がってきて最高。番組的にはとっても重要だと個人的に。

【追記】ついに父親まで登場するも、父さん全然関係なかった。がんばれ。

藤井舞乃空(ふじいまのあ)

前述佐久間とは対照的に、子どもっぽさ全開で振る舞う小学生。若さゆえの自信か過信か、その物怖じせず実力を出す姿はテレビ的にはとっても◎。ただやっぱり選曲は佐久間同様いかにも歌ウマな選曲であんま面白みがない。

【追記】「まだ誰もカラオケバトルで歌ってない選曲にこだわる」との紹介。その心意気は素晴らしい!が、誰も歌ってない「いかにも歌ウマ」な人の曲を歌うのではあまり変わりがないような気がするので、なんかよろしくお願いします。

安大智(やすだいち)

多数の歌手を輩出している奄美大島からの刺客。中学生ながらムード歌謡を好み、カラオケバトルでもムード歌謡をガンガン歌う。けど見た目が完全に子どもなのでそのギャップに少し笑ってしまうのだね。今回のグランプリではブロックで堀優衣に点数で上回れるも、敗者復活枠で決勝へ。今度はEXILEとか歌ってほしいわ。

※しれっと安くんだけグランプリ後に追記してます。いつもtwitterで「いいね!」してくれてありがとう安くん。


他にもまだ個性的な出場者はたくさんいるわけですが、とりあえずこんなもんでしょう。とにかくカラオケバトルの中でもU-18大会は一見さんにも優しく分かりやすく面白いのです。騙されたと思って見れもらえば、あなたも最後にはマチャアキといっしょに「何点!何点!何点だ!」と叫んでるに違いない。

*1:これを自分の中では「山田(勝己)化」と呼んでいる