帰ってこいよ

古館伊知郎が「報道ステーション」を来年3月で降板。


なにもクリスマスイブに発表せんでもいいだろ、とは思うんだけど、まあ今年のテレビ界における大きなニュースであることには間違いない。一言感想を書いておきたい。


何度も番組降板(あるいは番組終了)の噂があったが、本人が昨年行った「トーキングブルース」でネタにしていたように、大体の場合は憶測でしかない。そもそも批判は多いものの、数字も堅調で辞める理由がなかったのだから。しかし古館本人が辞めると言えば話は別。「新しいジャンルに挑戦したい」とのコメントを残している。還暦も迎えて、一区切りだと思ったのだろう。


久米宏の「ニュースステーション」と入れ替わりで始まった「報道ステーション」。常に左寄りの意見を提供し批判も多かった番組でもあるが、それでも夜22時台に「その日一日何が起きたかを確認する番組」として未だに根強い番組である。批判の多さは「常に見られている」ことの裏返しでもあるわけだ。


そんな番組のメインキャスターである古館は、常に批判の矢面に立たされていた。もちろん古館自身が素っ頓狂な意見を言うこともあったけども、基本的には番組の趣旨を代弁していることも多かっただろう。そもそも個人的には古館自身にそこまで過剰な左寄りの思想があったとは思っていない。昨年の「トーキングブルース」を見ても、いかに古館が客観的に自分と番組を見つめていたかがよく分かる。そんな中で左寄りの偏った思想のみで番組を進行していたとはちょっと思えないのだ。


だから古館が番組降板後に左寄りの発言を続けていき、政治の方向に口出しするようなことがあるとはやっぱり思えないのだ*1。そんなつまらない話より自分は「報ステ」以前のような活躍を望んでしまう。「新しいジャンル」とは言ってるけど、この人こそ真の「しゃべりバカ」なので、やっぱりテレビでの喋りを主戦場としてほしいんですよ。それは昨年の「トーキングブルース」(の映像)を目の当たりにした人ならみなそう思ってるんじゃないか。ちっとも衰えていない。


今自分が一番見てみたいのは、古館と橋下徹の番組だ。ふたりで酒飲みながら「ふざけんじゃねえよ」と思ったことをただ喋るだけ。それだけで絶対に面白い。でも絶対に政治がらみの話はしないというルール。みんな絶対に聴きたいけど、そこは喋らないというのがテレビ的にいいんじゃないかと思う。じれったさと同時に古館の話術の巧みさを感じさせるような、そんな番組に。


とかく自分は「ついに古館がバラエティに戻ってくる(現時点では「といいな」、だけど)」ことが嬉しくてたまらない。まずは手始めに「そんなに私が悪いのか!?」やろうよ。テーマは「古館伊知郎」でさ。なにはともあれ、お疲れ様でした。

*1:てな文章を記者会見前に書いているが、記者会見で政治家転身が発表されたら盛大に笑って頂きたい