「R-1ぐらんぷり2019」は今までで一番面白かったんじゃないかと個人的に思いました。以下感想の羅列。
チョコレートプラネット松尾
IKKOで一休さん。今IKKOとして松尾が出来ることを全部ぶちこんだ贅沢なコントですよ。後半で「おかげでした」の「全落」でイスから落ちてカツラの向きが正しいかを確認するIKKOのマネをしていたのだけど、たぶん通じたのは視聴者の2割くらいだろうなあ。
クロスバー直撃 前野悠介
動体視力。自分で小道具を作ってのスタイル。決してつまらない、というわけではないんだけど、動体視力検査にしなくてよかったんじゃないか、と思っていたらネタが終わっていた。1票も入らないか。そうか。そうだよな。
マイク。仕組みが分かっても笑ってしまうというのは力あるってことですよ。勝ったかなあ、と思ったんだけど。
囁き漫談。ネタそのものはシンプルなものだけど、赤ちゃんがいるのを「いいことに」囁くというスタイルはやるなあ、と思った。見せ方(魅せ方)って大事だねえ。
おいでやす小田
成功者。「20歳年下の妻話合わない」よなー。R1での負け方が名人芸になってきた感。
フリップ芸。去年はツッコミで笑いを取るための設定が若干強引かなあと思ったんだけど、今年は「M1王者」の貫禄なのかそう感じさせなかった。緩急のつけ方が見事よなー。
男子高と女子高の合併。「ごめんね青春!」を思い出したのは自分だけではあるまい。女子高生の「おはよう」は「おはよう」の意味。哲学だな。
マツモトクラブ
犬。さすがのマツモトクラブ劇場。「ゴッドタン」の「ネタギリッシュNIGHT」でかけた風俗ネタだったら結果は違ったのだろうか。見たかったなあ。
だーりんず 松本りんす
カツラ芸。ここまで堂々とリアルヅラを笑いの武器にする清々しさよ。こんなもん笑うに決まってる。
大阪へ転校。結構バランスの危ういネタだと思うんだけど、うまく笑えるようになっていてすごい。
広島弁漢字ドリル。やってることは2013と変わらないと思うんだけど、見た目と構成が若干マイルドになっていたこともあり、見やすい。けどあのアクの強さがあったからこその優勝だったのかなあとも思ったり。芸人むずーい(ハナコ風)
おじさん。元巨匠の天才がR1の舞台でもおじさんっぷりを発揮。この人が評価されるのは何年後なのか。
決勝
囁きのシチュエーションを変えてトラに囲まれた状態で。下敷きの天丼はズルいけどあれは笑う。もう一個爆笑をさらうネタがあれば優勝だったかも。
1本目では出さなかったバンクシーを仕込んであったり、決勝まで見据えた構成はさすがの一言。でも個人的には「ちんぽ」で優勝かっさらったスターっぷりに脱帽。会場の客にも文句言ってしまうキートンとの圧倒的差。
だーりんず 松本りんす
引き続きカツラ芸。アキラ100%ほどのハラハラ感はないが、その代わりに哀愁が加わっている。カツラを買い与えた伊集院光も喜んでいることだろう。
優勝は粗品。セルライトスパ大須賀と同票だったが、投票した審査員の数の多さで優勝に。ブロック予選も同じ状態で勝ち抜いたわけで、なかなかにスレスレの優勝だった。ただこの優勝を引き寄せたのも「思わず審査員として一票は入れたくなる」という、審査員の芸人を唸らせる粗品の巧みな芸あってのことだろう。何の疑いもなくヤラセとか言ってしまう人は地獄のようなR1素人動画グランプリのほうでも真剣に見ていてほしい。あっちはまさに地獄。
今年は全体的に笑いどころが多くていい大会だったと思います。ただ個人的に一番笑ったのは、事前番組で野生爆弾くっきーが尊敬する芸人として博多華丸を紹介する流れでMr.ボールドを紹介したくだり。平成の終わりにボールド師匠の名前が出てよかった。