ラーメン食べて主役も食べて

ラーメン大好き小泉さん」の初回を見た。


同名のマンガが原作。女子高生がラーメン食べる、というだけの話である。最近食ドラマ流行っている(かくいう自分も今クールは北海道で4月から放送されていた「ワカコ酒」を楽しみに見ていた)ので、それに軽く乗っかってきたなという感はある。実際ドラマの中身も「新しい」なんて形容されているけど、従来の食ドラマの範疇を少しも逸脱しておらずテレ東はほくそ笑んでいるだろう。


主演は元ももいろクローバー早見あかり。「元ももクロ」の肩書きが必要ないくらい女優としてのキャリアを順調に重ねているとは思うのだが、自分は「そんなに重宝されるほどの女優にまでなったかなあ?」と思わないでもない。何本か彼女が出ているドラマを見ているけども、どれもこれもあまりピンと来ていなかったりする。


このドラマの早見にもあまりピンと来ていない。このドラマの主役に求められる「ミステリアスな美女がラーメンに関しては饒舌になり、笑顔を見せる」という役割はきっちりこなしているとは思うのだけど、それは早見が出来る演技にドラマ側が寄せているような印象があり(原作を知らないので実際ああいう話でああいう描かれ方なのかもしれないけど)、それは別の女優なら別の人物像になったんじゃないかという気がする。早見の演技が決して下手だとは思わないけど、引き出しが少ないとは思う。もちろんキャリアを積むことで演技の幅が広がるのだから、それは悪いことではないが、その少ない引き出しに対する需要がちょっと過多なのかな、という気がする。


そんな早見を尻目に、実力をいかんなく発揮しているのが共演の美山加恋だろう。


名前を聞いてピンと来る人もいるだろうが、草ナギ剛主演のドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」(僕シリーズ3部作の2作目)で凛ちゃんを演じた子である。11年前の当時は7歳でも、今はもう18歳。立派な女優だ。子役の頃から反則的な可愛さと演技で魅了していた美山であるから、今もやっぱり演技が上手い。それは早見と比べるのは残酷なくらいである。


ドラマは美山演じる女子高生大澤の視点で小泉(早見)がラーメンを食べる姿を描写するという進行。自然と説明的な描写やセリフが多くなるのだけど、よどみなく軽快に演じるさまは、脇にいながら主役級の活躍。早見主演とはなっているものの、こんなもの実質美山が主演だ。美山はドラマ内でラーメンも食っているが、主役も食っている。


それはともかく、このドラマは早見あかりでもラーメンでもなく、美山加恋の充実っぷりを愛でるドラマだと思う。これはもう仕方ない。主演・主題歌*1・ドラマ本編が想像の範疇を超えていない中での美山の存在感は群を抜いている。彼女を見るためだけに1回見ても損はない。

*1:ちなみに主題歌は「ラーメン大好き小池さんの唄」をもじった替え歌「ラーメン大好き小泉さんの唄」。元がシャ乱Qの曲だから、どうせハロプロ関連が歌ってるんだろうなー、とハナクソほじりながら思っていたら、エンドロールで「こぶしファクトリー」という名前(ハロプロの今年できたユニット)が出てきたので「ああやっぱりね」と思ったよ。