アイアンシェフが面白い21の理由

なんだかネットを見れば「アイアンシェフがつまらない」という記事が大量に踊っているではないですか。アホかと言いたい。今年一番面白い番組は何か、と問われれば間違いなく「アイアンシェフです」と答える不肖ハトヤさんが皆様に「アイアンシェフが面白い理由」をこれから21個紹介しますので、とっくにアイアンシェフにハマっている人もそうでない人も、心して笑いながら読んでほしいと思います。


<基本編>

1 タイトルが「アイアンシェフ」だ

元々「料理の鉄人」だったものを、海外に輸出する際につけられたタイトルが「アイアンシェフ」でした。それを今回新番組として放送するときのタイトルにそのまま採用するというこの節操のなさ。素晴らしいです。

2 美食アカデミー主宰が玉木宏

今回の人選でアイアンシェフ以上に人選に悩んだと思われるのが主宰なのではないか。その中で玉木宏を選んだフジはセンスあると思うんだよなあ。鹿賀丈史玉木宏の共通点、それは俳優であると同時に「いい声」である。これが決め手になっての人選だと思うんで、まだまだ「面白」の具合では物足りない部分はあるが、このまま続けてくれればいい。 

3 SP版での主宰だった本木雅弘はいないことになっている

初代鹿賀も「フグ毒にあたって死んだ」ことになっていた(らしい。wiki先生より)のに、2代目は存在すら消し去られてしまうとは、なんたる有様!でも、それがいい。

4 アイアンシェフ審議委員会という団体が胡散臭い

そもそも「どっちの料理が美味しいか」を判定する審査員だったのに、「4人目のアイアンシェフを決める」とかいう設定を決めちゃったもんでこんな妙ちくりんな名称がついた団体に。個人的には結城摂子さんが毎回見たい。予定調和じゃない辛口が見たいんじゃあ。

5 実況席に人大過

「鉄人」時代に比べてなんであんなに多くなった。ゴールデンとはそういうことか。でも、それがいい。

6 佐野アナの実況が地味に上手い

めちゃイケのイメージがあまりに強いんで侮りがちですが、実にそつのない実況。

7 服部さんの役目がおかしい

実況の福井アナ、そして解説の服部さんというのがお馴染みの組み合わせ。アイアンシェフになってから実況は佐野アナに代わりましたが、服部さん続投。しかしおかしなことに「解説」であるはずの服部さんの横には、「テクニカル解説」なる人たちが。それぞれ専門分野の人が専門的な知識を解説するんだろうが、じゃあ服部さんの役目は……。一応自分の中では「合いの手担当」ということで落ち着いている。

8 初回しか見てないで批判する奴は宮川大輔が初回以降出てないのを知らない

自分もtwitterで思わず呟いてしまいましたが、初回にレポーターとして登場した宮川大輔の「佐野さん」の連呼はさすがにやりすぎだった。*1あれは批判が出ても仕方がないレベル。しかしそんな視聴者に無駄に敏感にならざるを得ないフジはあっさりと宮川を引っ込めた。ちょっと可哀想な気はするが、賢明な判断でした。いまだにアイアンシェフ批判で宮川の名前を出している奴は滑稽と言えよう。今はメインで三田アナが頑張ってます。大して上手くないけど。でも、それがいい。

9 放送時間が「鉄人」より長いので、ノミニー(挑戦者)の紹介VTRが長い

挑戦者の煽りVTRの出来が非常にいいのです。だからこそ見ているこちらとしてはノミニーがどんな人物かをちゃんと知ることが出来るわけですね。時間が長くなったことのメリットを挙げるとすれば間違いなくここ。

10 もはや旧「鉄人」道場がハッスルしまくり

そりゃまあ「鉄人」時代からのつながりが出てきたほうが面白いに決まっているんでいいことなんだけど、中でも最強と称された初代和の鉄人道場六三郎は審議委員でも登場し、大みそかには挑戦者として登場するっていうんだからハッスルしまくり。もう80代なんだからあんまり無茶しないでくれ。頼む。

11 そのくせ番組後期の人たちは全くお呼びがかからない

視聴者からすればやはり全盛期の鉄人ということで「道場」「陳」「坂井」なんだろうが、鉄人を名乗れるのは彼らだけではない。石鍋裕にはじまり、中村孝明や森本正治、イタリアン神戸の存在は全くなかったことになっているのか?ま、それがいい。

12 はやいとこ神田川を出せ

あ、これは完全なる愚痴だ。鉄人が表の主役ならば、裏の主役として圧倒的な存在感を放った挑戦者神田川俊郎がそろそろ登場してもいい頃だと思うんだけど。出し惜しみしてるところがいい。


<和のアイアンシェフ・黒木>

13 読み方が「くろぎ」だ

「くろき」と呼んでる奴はニセモノです。何の?

14 フルネーム「黒木純」がパンクブーブーのメガネのほう「黒瀬純」と紛らわしい

たぶん自分だけだと思うが。

15 履いてるのが高下駄だ

料理しにくいと思うんだよね。

16 初回で負けた

全ては大みそか道場決戦のおぜん立てだとは思うが(別にヤラセがあったという意味ではない。あってもいいんだけど)、あっさり負けるところに世のオバさまと自分のハートをがっちりつかみました。本人全然そんなつもりじゃなかったんだろうけど。

17 調理中に帽子を脱ぐ

暑いのか。


<中華のアイアンシェフ・脇屋>

18 強い

戦績もそうだが、何より顔が強い。脇屋シェフに関しては本当に強いのが最高最大の魅力ですわ。料理も本当に美味しそうだし。


<フレンチのアイアンシェフ・須賀>

19 ロブションが師匠だ

ミスター味っ子」で言うところの味皇の弟子のようなもの。こう書いたらあんまり凄くなさそうに聞こえるな。でも本当に凄い。

20 なんか知らんがめちゃカッコイイ

もし自分が28歳独身OLだったら、須賀見たさにロブションパリまで足を運ぶレベル。

21 終了間際にシャンパンを飲む

「調理終わったわ〜い」と髭男爵ばりに助手の人とシャンパンを美味そうに飲むんです。「鉄人」時代からのファンも、こういうのを待っているんだよ。本人は別に期待に応えているわけでなく単に飲みたいから飲んでいるのかもしれないが、結果的に自分のようなファンを虜にしているので問題なし。



とまあ21個書いてみたものの、「面白さを伝える文章」があんまり面白くないという非常に困った事態になってしまった。まあいいいや。しかしなんでまあこんなしょうもないものを書こうと思ったかといえば、不意に時間が出来てしまったという事情*2に加え、あまりに「アイアンシェフ」が酷評されているのが納得いかないからです。自分が絶賛するほどに他人も面白いのかと問われれば「そんなことはないだろう」と答えるでしょう。自分は単にこういう「大仰なことをやる番組」が好きなのです。だからその補正はかかっているのは自分でも折込み済み。それでも「アイアンシェフ」はそこらのバラエティよりも面白いと思うんだけどなあ。


この「面白い」は純粋な「interesting」だけではなく「funny」もあれば「stupid」も含まれている。単純に「料理バトル」としての面白さを味わうのか、それとも宮川大輔の煩さや服部先生の所在のなさなど満載の「ツッコミどころ」を片っ端からツッこんでいくのか、はたまたアイアンシェフや挑戦者たちに「キャラの面白さ」を見出すのか。楽しみ方は色々ある。なんでこんなにおいしいところがあるのに誰も食べないのか。自分がゲテモノを好んで食うだけなのだろうか。それならそれで一向に構わないんだが、ゲテモノだった場合の難点は、比較的早く姿を消してしまうところ。だからみなさんもこの番組の「美味しさ」に早く気づいてほしい。そして少しでも長く味わってほしい。切なる願いである。フジも早々に打ち切りを決めないように、ひとつ宜しくお願いしたい。


年末の生放送は紅白見るんでチラ見だけどね!

*1:一応フォローのつもりで書いておくが、あの「佐野さん」連呼は「鉄人」時代のレポーター太田真一郎の「福井さん!」のオマージュなんだよなあ。なんかそれも知らずに批判している人が多いような気がしないでもない

*2:ノロウイルスでぶっ倒れて仕事を数日休みました