紛れちゃってる

パナソニックのデジカメ「LUMIX」のCMの浜崎あゆみを見るにつけ、なんとなく悲しい気分になる。


今のデジカメは自動で顔認識をするものが増えてきたが、このLUMIX(FX40という機種)は個別認識までするらしい。というわけで、浜崎あゆみが複数の女性と一緒に映っているのにも関わらず、自動で浜崎を認識して写真を撮ってくれる、というCMになっている。


で、この浜崎の周囲にいる女性たちがあからさまに「ちょいブス」レベルで統一されています。ニセ水川あさみ(1枚目前列一番左)だとか、ニセ内田恭子(1枚目前列左2番目)だとか、寺島しのぶ(2枚目前列左2番目)だとか。


「ちょいブス」と書いてしまった手前、ここで女性たちの画像を出して話をすすめるのはさすがに気が引けるんですが、画像があったほうが分かりやすいので出演者の女性たちには勘弁願いたい。


商品のコンセプトからいけば「複数の人がいても自分を認識してくれる」なので、このやり方は間違いとは言えません。ただ、本当であれば「色々な人がいても自分だけをしっかり認識してくれる」ということを強調したいならば、芸能人のように「別にカメラに頼らなくても目立つ人」を認識させる必要はないのです。むしろ自分がしつこいくらいに推している平岩紙レベルの「カメラが認識してくれて初めて目立つ人」を認識させたほうが、より機能の凄さを実感できるというもの。


だから本来ならば浜崎あゆみという「ザ・芸能人」はカメラに認識させるまでもなく目立つわけですから、こんな機能に頼る必要ないですよということになってしまう。CMとしてはあまりいただけないことになる。


でもこのCMの浜崎は、周囲の「ちょいブス」に違和感なく紛れてるんでカメラの機能を結果的に「必要」としている。


いや、正確に言えば周囲は「ちょいブス」ですから、浜崎あゆみの美しさはさすがに画面を通しても目立っており、それこそ前述したように「カメラの機能に頼るまでもない」わけです。けど、本当なら浜崎は周囲に「ちょいブス」を配置しなくても、それこそ並み居る美人のモデルと並べたって際立った存在だったはず。にも関わらずこのCMの浜崎は「ちょいブス」に紛れさせないと相対的に芸能人であることを誇示できないどころか、下手すれば「ちょいブス」に紛れてもさほど違和感のないレベルにまで落ちている。これははっきり言ってデジカメの宣伝どころじゃないだろう。


最初にこのCMを見たときは「ああ、ここまで周囲にちょいブスを配置しないと浜崎もダメになったか」と思えたのだけど、何度も見ているうちに「もしかして周囲にちょいブスを配置したのではなく、さほど違和感なく浜崎を紛れさせることに成功してないか?」という気分になってきた。最初の印象であれば浜崎に胡麻を擦った形でカメラの機能の宣伝としてはよろしくないが、何度も見たあとの印象ならば、「複数の人に紛れても個人認識が可能」というカメラの機能を完全にアピールしている。パナソニックの本意は一体どちらなのだろう。


あとどうでもいいんだけど、あのちょいブスたちに紛れる浜崎あゆみの映像はススキノの風俗店の広告みたいで笑える。


すすきの・ニュークラブ「ayu」従業員一同
「お待ちしてま〜す」