拷問

おそらくCMを見た98%の人がそう思っているはずなので、自分が改めて言う必要もない気がするんですけども、それでもやっぱり言っておかねばならないと思うので書くことにします。


花王「ふんわりニュービーズ」のCMにおける鈴木おさむ大島美幸夫妻が酷すぎる。まだ見てない方、見てみたいはこちら。気分が悪くなっても自己責任で。


鈴木大島夫妻といえば、「ブスの瞳に恋してる」の原作夫婦としてお馴染みである。旦那は超がつく売れっ子構成作家で、嫁は森三中構成作家と女お笑い芸人という組み合わせは最近では実にメジャーであり、ハリセンボン箕輪はるかせきしろ、離婚したがだいたひかる北本かつらという組み合わせが記憶に新しい。鈴木大島夫婦はいわばこれらのカップルの先駆けとなったカップルだ。


一応断っておくが、彼ら彼女らが普段の生活で幸せを噛み締めているぶんには一向に構わない。いかに鈴木がブス専であろうとも我々に実害がなければ何の問題もない。しかし、彼らの趣味嗜好が我々の生活を脅かすようになったときは抗議が必要だ。あなたの隣に住むカップルがスカトロマニアであるだけなら我慢できても、その趣味が高じて常に隣から糞尿の匂いが漂ってきた場合は抗議しなければならないのと一緒。今この夫婦からは悪臭が放たれている。


こんなことを言っては本当に身も蓋もないことを承知で言うが、彼らはCMに出てイチャついていい夫婦ではない。正直気持ち悪いんだ。鈴木がイケメンというわけでは絶対にないし、大島はブサイクな女芸人。CMに出てイチャついていい要素がひとつもない。にも関わらず、彼らの普段の生活風景を切り取ったかのような薄気持ち悪い空気の漂ったCMを15秒ないし30秒もの間公共の電波を使って垂れ流していいわけがない。路上でブサイクなカップルがイチャついているだけでも火炎瓶を投げたくなるというのに、それをCMで見せられた日には熱された鉄板の上で10秒間土下座をさせられるよりキツい。拷問である。しかも不思議なことに、このCMを見る度に以前見たときには気付かなかったイヤな部分が毎回見つかる。こんなに嫌悪感に溢れたCMも珍しい。


でまあ、このCMを見たときに、これまた80%くらいの人が「似たようなCMを見たことがある」と思ったのではないだろうか。そう、藤井隆乙葉のシャンプーのCMだ。以前ここでも取り上げた例のCM。CMの厳密な中身は違えど、有名人夫婦が気色悪さをガンガン放っているという点ではまるっきり一緒だ。あのCMが宣伝している商品は「メリット」でした。そして発売元は「花王」。そう、今回の気色悪いCMも藤井乙葉の気色悪いCMも、どちらも作ったのは花王なのである。


CMとはとにかくインパクトを与えたもん勝ちであるという意見がある。良い印象にしろ悪い印象にしろ、見ている人の印象に残らねばCMとしては失格だという意見。この意見だと花王のCMは「合格」ということになろう。現に自分がこうやって書かざるを得ないほどの気持ち悪さを放っているわけだから。しかし、例えば食品のCMが汚いイメージでインパクトを与えても何の意味がないのと同じく、清潔さ・気持ちよさをアピールしなければならないシャンプーや洗剤のCMにおいて、気持ち悪さが先に来るのは果たしてOKなのだろうか。


もちろん「気持ち悪い」というのは自分の主観でしかない。少なくとも花王の人間はあのCMを見て気持ち悪さを感じていないということだろう。その感覚がマジョリティであれば自分の意見は取るに足らない唾棄すべきものなのだろうが、たとえ日本人の99%があのCMを許容しようとも、自分は自分の感覚に素直に「NO」と言わなければならない。


ブサイクのカップルは最初は「微笑ましい」のだが、そのことに味を占めるとどんどん図々しくなってくる。その図々しさが極まったのが「ふんわりニュービーズ」のCMである。いいともレギュラーに嫁だけ加入なんてのはまだまだ甘かったということを、あのCMは物語っている。これ以上ブサイク夫婦に図々しくさせてはいけない。


最後にもう一度断っておくが、ブサイク夫婦が悪いわけでも、ブス専が悪いわけでもない。単にCMでイチャつくには不向きな(というか絶対にやってはいけない)カップルだというだけ。ブサイクだから「微笑ましい」と何でも大目に見てもらえると思ったら大間違いだぞ。