俵孝太郎

「さんまのまんま」に小泉孝太郎が出てました。


小泉孝太郎といえば小泉純一郎元首相の息子であり、「平成の石原裕次郎オーディション」に参加していたことも話題となり、鳴り物入りで芸能界デビューした。ルックスは確かに爽やかであるものの、やはり「現役首相の息子」という肩書きが功を奏したのは否定できない。おそらくは「デビューすることが一番大きな仕事の一発屋」であり、小泉純一郎が首相を辞めるのと小泉孝太郎がブラウン管から消えるのはどちらが先か、と思っていたものの、小泉首相が退任した後でも小泉孝太郎は何事もなくテレビに出演している。正直意外だ。小泉を押しのけ「平成の石原裕次郎」となった徳重聡が石原軍団という保証により今後も一応安泰であるとはいえ、知名度(顔を見て誰か分かる)からいけば小泉孝太郎のほうがはるかに上ではないだろうか。


デビュー当時の小泉孝太郎の演技はお世辞にも上手いとは言えなかった。そりゃ素人がいきなりデビューしたんだから下手で当然なんだけども、最近ではそこそこ見れる役者、しかも脇にいて邪魔にならない程度に目立つ割と使い勝手のいいポジションに居座っている。もちろん事務所がしっかりしている(ドリフを擁するイザワオフィス)というのもあるんだろうが、これは「思った以上に小泉孝太郎、しぶとい」という結論を下してもいいのではないだろうか。


北海道では一貫して放送されていないが、デビューして以来フジの深夜番組を小泉は担当している。今は上地雄輔と「孝太郎Wキッチン」を担当中。ヘキサゴンのおバカとして瞬く間に売れっ子になった上地であるが、たまたま小泉孝太郎が幼馴染だったという縁で共演。上地といえば松坂大輔の先輩として有名であるが、小泉孝太郎(というか小泉家)の近所だったというのが面白い。これは上地にとっても幸運な縁だろうが、同時に小泉孝太郎の価値にもプラスになっているのが面白い。


北海道ではこの孝太郎番組が放送されていないゆえ、小泉孝太郎を見かけるのはドラマか紳助司会のバラエティ番組くらいなもので、取り立てて小泉孝太郎のキャラに関してどうこう思ったことはない。ひたすらに爽やかであり、たまに小泉元首相の日常話をするくらいの印象しかない。おそらく小泉孝太郎に関しては、おそらく孝太郎番組が放送されている地域とされていない地域では全然受け取られ方が違うんじゃないかと思われる。なにせ小泉孝太郎に関する情報量が全然違う。


なもんで、自分は「さんまのまんま」を見たときに、小泉孝太郎が「かっこいい」だとか「かわいい」と客席から言われている光景を見て、「あれ、小泉孝太郎ってこういう位置の人だったっけか」となんだか戸惑ってしまったのだ。小泉孝太郎が爽やかイケメンであることは否定しない。自分の顔面など及ぶべくもないことは分かっている。ただ、そういう問題ではなく、小泉孝太郎って未だにそういうアイドル的な扱いをされるポジションの人なんだなあ、と。自分にはそういうイメージが既になくなっていたもので驚いた。


これって孝太郎番組が放送されている地域ならば、孝太郎は未だにそういう扱いをされているタレントというのが一般認識なのかもしれないが、孝太郎番組が放送されていない地域に住む自分からすれば、まさか未だに孝太郎がそういうポジションだったなんて思ってもいなかったのだ。自分はもうとっくに小泉孝太郎が「過去に脚光を浴びたけど、いまはそれなりのタレント」という扱いだと思っていたのだけど、まさか「まだまだイケる小泉孝太郎」だったとは。


無論「さんまのまんま」の観覧にいた人がたまたま熱狂的なファンだったという可能性は否定出来ないのだけども、仮にそうだったとしても、もう29にもなる小泉孝太郎を愛でるファンがああいう扱いをしているだけでやっぱり自分の認識とは異なる。いやもちろんメンバーが30代を過ぎているジャニーズのタレントのファンは総じてあんなもんではあるが、一応「アイドル」であるジャニーズと小泉孝太郎を一緒にすることはできまい。


小泉孝太郎のファンは毎週孝太郎番組を舐めるように視聴し、「孝太郎かわいいわー(ウットリ)」とかやってるんだろうか。いや別にその行為自体は否定しないけども、今後アイドルでもなく単に老けていく小泉孝太郎にずっとそのような応援の仕方をしていくのだろうか。そして孝太郎はそのようなファンの視線を受けて今後も役者としてやっていくのだろうか。孝太郎番組が放送されていない地域に住む自分からすれば、今二つピンと来ない。田中義剛が北海道の番組ではけっこうデカい顔していると言っても本州の人はピンと来ないのと同じだろうか。違うか。