「多い」のか、「適切」なのか 


検索のワードで「ヨモギダ少年愚連隊」で飛んできてくれる方が結構多いんで、調子にのってその話題を。

さて、「めちゃイケ」において2週間前の発表から随分と引っ張って本日ようやく「’02編」が公開となった「ヨモギダ少年愚連隊」であるが、素晴らしい出来である。まあまだ氷山の一角を見せたに過ぎないから、来週からの展開にも当然に注目が集まるわけであるが、今回そちらは他のサイトさんにお任せするとしてこの文章では内容ではなく「宣伝」についてちょいと書いてみたいと思う。

自分が思うに、「めちゃイケ」としてこの「ヨモギダ少年愚連隊」の告知はいまだかつて無いほどの「助走期間」を設けていた。助走期間とは曖昧な言い方なのだが、要するに「番組内容の宣伝」である。2週間前の番組の最後のほうにちょこっと挿入したのをきっかけに、先週はおさらいと称して今まで放送した「ヨモギダ少年愚連隊」シリーズの流れを説明する放送をした。要するに総集編ということなのだが。そして当日は放送されなかった地域もあるだろうが夕方からシリーズ3作目となった大学受験シリーズの放送を。めちゃイケという番組は結構事前告知番組に力を入れているのだが、それにしてもここまで強力に番組の企画をひとつ告知したという記憶はない。

前にも書いたと思うのだが、今回のシリーズは2年前から収録をしていたものの集大成である。バラエティ番組で2年間も制作期間を設けてそれを放送にこぎつけるというのはおそらく前例がないだろう。それだけに制作側も随所に「北の国から」を想起させる「長編大作」を打ち出しており、実際その名に違わぬ傑作を生み出すだろうという予感をひしひしと感じるわけだ。

その気合が番組の本放送からも感じられるわけだが、その気合が入りすぎた感じが逆にめちゃイケのファンであれば「鬱陶しい」と感じた可能性があると思う。なぜなら、あまりに気合が入りすぎているせいか、事前告知番組と同じ情報を何度も流したり引っ張る場面が多かったりで「見ていて疲れてくる」と感じるからだ。

実際こう思っても不思議ではない作りであると自分は感じる。気合が入っているのはわかるが、それが独りよがりになっている部分もあったのではないかと。ただ、これは贔屓目かもしれないが、2年間もかけたバラエティの番組であり、それを賞賛に値するだけの作品に仕上げているだろうことは十分に考えられる。となれば、多少のロマンチック浮かれモードは目をつぶることにしても良いのではないかと。大目に見ましょうと。


ただ、「長編大作」であるという制作側の気負いは大目に見るとしても、「同じ情報を何度も流す」という手法については考察の余地がありそうだ。

何度も言うが、事前告知番組においてこのヨモギダ少年愚連隊の情報は相当量が流されたように思われる。過剰とも言えるくらいだ。ただ、その情報量は本当に過剰なのだろうか。

自分は「多い」と感じた。なぜか。それは「事前告知番組」を自分は全て見たからだ。同じ情報を何度も何度も刷り込みをするように見せられる。イヤでもヨモギダさんの情報を覚えてしまう。しかし、それは自分が望んでその情報を摂取したわけであり、そのことについて文句を言う必要はないのだ。実はめちゃイケが流した情報というのはCMを除けば関連番組で流したものが殆どであり、「自分から望んで摂取する情報」が大部分を占めるのである。局を挙げての宣伝のようなスポーツ大会と大きく違う部分だ。

なわけで、「めちゃイケファン」には情報過多な宣伝量だったのかもしれないが、実は一般の人にとってみればそれほど「イヤでも目にする宣伝量」ではないわけだ。実際この文章がその情報を存分に受けた自分が書いているので、最初からその部分に齟齬を感じた方もおられたであろうが、そういうことなのである。やっと事実との整合がとられただろうか。

この事実、裏を返せば「普段めちゃイケを見ない人やこのシリーズを知らない人に対する門戸の開放」に他ならない。

最近の番組は「ある前提」を当然のもののように扱う傾向がある。もちろんその番組を最初から見ていたりする人にとっては不要な説明であるからこそ説明をしないのではあるが、それは新規の参入を容易にしないということだ。以前「笑う犬」が終了直前に火曜日に移動した最初の週に番組の人気キャラであった「大嵐浩太郎」をオチに持ってきたことを批判したのだが、それはいくら「笑う犬」というブランドが世間に浸透し通用するものであったとしても、番組の仕切りなおしにいきなり何の説明もなしに既存のキャラをオチに使うのは新たな視聴者の開拓を放棄しているという内容だった。まあ番組は3ヵ月後に終わってしまったので最初からその必要はなかったと判明するわけなのだが。

それと同じことは何も「笑う犬」に限ったことではなく、いろんな局の様々な番組において見られる現象である。新規の視聴者を拒む、それは同じ説明をすることで番組のリズムや構成時間が変わってくるからなるべく避けたい事態なのだろう。既存の視聴者は説明部分が不要であるからその間にチャンネルを変えてしまう恐れもある。だから最近の番組は設定やら前提やらをやたら省略したがる傾向にある。

しかし、自分はこの傾向に異を唱える。既存の視聴者が離れるのも問題だが、新規の視聴者が入ってこれないのも問題ではなかろうか。新規の視聴者はまるで「お前らは自分でこっちにあわせてこい」とでも言わんばかりに、新規の視聴者に対してないがしろだ。

だが、今回のめちゃイケの事前の大量告知はその真逆である。このシリーズを知っている方はもちろん、知らない方も是非一度ご覧あれという態度を明確に打ち出している。同じような内容の宣伝を大量にやることで、たとえそれを全て見ることはなくても、一度でも事前放送を見てくれればしめたもの。その意図は完全にこのシリーズを知らない人に対して向けられているもので、知っている人には多少鬱陶しいことを覚悟で放送しているようにも思える。それは同時に「知っている人はこれだけ同じ事をやっても見てくれる」という内容に対する自負とも考えられなくもない。

つまり、今回のめちゃイケの事前告知番組における宣伝量は、「番組の共有したい情報をなるべく多くの人間に知ってもらう必要があるゆえ、それを何度でもわかりやすく詳しく説明する」という姿勢において自分の考えと合致したものであり決して無駄に多かったわけではなく適切だったと考える。


視聴者の新規開拓というのは攻めの姿勢である。テレビというのは習慣であるから、見ている番組というのはそうそう変わるわけではない。だからこそ新規開拓という攻めの姿勢は非常に評価できる。テレビ番組は長くなればなるほど既存の視聴者を大事に護ろうとして保守的になりがちであるが、めちゃイケはそうではなくここにきて未だに攻めの姿勢を見せるのは賞賛に値する。そして、賞賛に値すべき番組が今後の「ヨモギダ少年愚連隊」で見られるだろうことも補足しておく。


こんなに褒めるとフジのまわし者みたいだな。


エンタの神様」にて長井秀和VSさとう珠緒のドリームマッチ。
終始長井ペースだったが最後に珠緒の「プンプン!」で一本勝ち。
やはり珠緒は強い。
武田鉄矢のイメージってやっぱり「金八先生」なんだろうか。
テレビで「実は武田鉄矢は普通のオッサンだ」という暴露みたいな話を聞くたび
「そりゃみんな知ってるがな」と思ったりするんだが。
テレビの中だけ「武田鉄矢金八先生」イメージが染み付いているような気がする。
だからその手の話題はもうしなくていいよ、テレビで。