笑顔と元気を僕らに届ける小さな巨人にエールを込めて

有安杏果ももいろクローバーZを卒業。事務所、レコード会社との契約も終了し、芸能活動を引退へ。


いきなり恥ずかしい話をすれば、こんな日が来るとは思っていなかった。「いやアイドルなんて日常茶飯事的にメンバー増えたり減ったりするじゃん。そんなこと想定もせずにアイドル追いかけてるのかよ」と言われてしまえばそれまでだ。しかし今のももクロとはモノノフ(ももクロファン)にとって「永遠に歩き続ける5人」と思っていたのだ。簡単に言うと、油断していた。そして容易に油断させるだけの「恒久性」を帯びていたのだ。永遠はない。当たり前の事に気づくのは、気付かされるのはいつもそれを失ったときだ。


本人のメッセージを素直に読めば「ずっと小さい頃から芸能活動を続けてきて、少し距離を置きたい」という理由だ。すぐに思い浮かぶのは宇多田ヒカルの「人間活動」宣言だった。まあ、ここには平たく書いてはいるが、恐らくは「色々と限界だった」のだろう。昨年までは大学生と並行して芸能活動も行っていたわけだし、それらに全力で格闘し、乗り越えてきたことで「やりきった」と思ってしまったのだろう。燃え尽きたのにも近いのかもしれない。


この決断を責められるモノノフなんているわけないんだ。しかし、自分は敢えて言う。それが憎い。責められるわけがない決断をする杏果が憎いんだ。


だってそうだろう。有安杏果という人間が、この決断を下すときにメンバーのことを、モノノフのことを、そして周囲の人間全てのことを考えなかったなんてことがあるのか。ないだろう。絶対にないんだ。それでも杏果はこの決断を下したんだ。相当な決意だ。こんなの一般人はともかく、モノノフで文句を言える人間がどこにいる?いないよ。いきなりこんな現実を突きつけられてもモノノフは「杏果の下した決断だから」と、色々な気持ちを飲み込んでねぎらいの言葉をかける。当たり前だよ。それ以外に出来ることはない。


でも自分は言うぞ。もう言うしかない。


ちっくしょお、ふざけんじゃねえよ。なんで辞めるんだよ。そんなの聞いてないぞ。勝手にすっきりしてんじゃねえぞ。あんたが辞めたら残された4人は、モノノフたちはどうなるんだよ。歌は、ダンスは、どうなるんだよ。誰がワーズで手袋投げるんだよ。誰が怪盗歌うんだよ。誰がゴリパン仕切るんだよ。誰が灰ダイ歌うんだよ。ソロはどうすんだよ。心の旋律はもう鳴らないのかよ。まだまだあんたの歌を聞きたい人間が世界中にいるんだよ。なのになのになのに辞めるとか、どんなに控えめに言っても「納得できねえ」よ。そりゃみんな「お疲れさま」って言うさ。けど納得しねえ。できねえ。耳当たりのいい言葉でねぎらいの言葉なんて自分は今は無理!無理!けど本音だよこれが。こんなところでいい子ぶりたくねえよ。


最初はどれだけ理性的に、前向きにこの事態を捉えてこの文章書こうかと思ってました。けど無理だった。自分の気持ちを偽ってまで文章にするのは、今の自分には難しすぎた。こんなしょうもない形だけど、偽らざる本音が書けたら少し気持ちが楽になった。全モノノフよ、いい子ぶるな。残された時間、全身で全力で有安杏果に対する「想い」を吐露したらいいんだ。ここでいい子ぶって自分にウソついて杏果の決断を支持しても、たぶん後でキツくなる。そう、有安自身が苦しんだように。


もちろん自分は今後の「ももいろクローバーZ」を全力で応援する。しないなんて道はない。自分は「ウルフルズ」というバンドを知っている。ベースのジョンBが一時期同じように袂を分かつことがあったが、今ではまたメンバーとして活躍している。出戻るアイドルがいたっていいじゃないか。それまで自分は待つ。いつまでだって待つ。




どの色が欠けてもこの夢の続きは描けないから
いろいろとあるけどめげずにゆくのさ

ももいろクローバーZ「モノクロデッサン」