3年かかった

「女芸人NO.1決定戦 THE W」の感想を。


始まる前から何かとしょっぱそうな空気を醸していましたが、終わってみれば「おおむね予想通り」でした。それは「M-1」にしろ「キングオブコント」にしろ、初回というのは何かと手探りな部分があって、色々ダメな部分があるのは当たり前。「R-1」なんかは未だにダメな部分が目に付いたりするくらいですから、そういうことを考えれば「こんなもんだろう」という感想にしかならない。


ネタの感想は後で軽く書きますけど、「決勝進出者もっとどうにかなったんじゃないのか」という批判に対しては、主催者である日テレが「何を思って決勝進出者をキャスティングしたのか」という観点で考えればそれほど不思議ではなかったです。もちろんいいか悪いかは別にして。自分が思う日テレの思惑は

・「M-1」(テレ朝)「R-1」(フジ)「キングオブコント」(TBS)に続く第4の大会に据えるべく他の大会とは差別化を図る。
・無名の芸人も複数選ぶことで話題を集める。スター発掘の要素も残す。
・他の大会が「ジャンル別」なのに対し、「女性限定」でありジャンルを問わない以上、幅広いジャンルから決勝に進ませてみる。
・「M-1」放送直後なので、比較されやすいので漫才師は極力減らす。

みたいな感じでしょうか。とにかく気になったのは「色々な意味でバランスを取っていた」ということ。漫才、コント、ピン芸人、歌ネタ、素人、人気者。ありとあらゆるニーズに応えようとする「お茶の間バラエティ」を得意とする日テレならではのキャスティングだろう。どこか一つでも視聴者に引っかかれば勝ち、みたいな印象。


ただこれって通常のバラエティ特番でやればいいだけの話で、こと賞レースにこの形式を持ち込むとやっぱり歪みみたいなのは感じる。もうハナっから「ありとあらゆるジャンルの女芸人だけを集めて祭りやってみました!」という現在の「THE MANZAI」形式、日テレだから「エンタの神様」方式でやったほうがよかったんじゃないのか。


特に良くなかったと個人的に思うのが、大会の審査員としてもはや必要不可欠となったダウンタウン松本を副音声に据えてしまったこと。これによって大会の格式が少しムダに上がってしまった。本格的な大会を標榜するならば、決勝のメンバーは力量的に疑問が残ってしまい、結果的にムダな批判を買ってしまうことになる。しかしこれはそういうガチな大会とは少し違うゆるーいお祭りだよ、みたいな位置づけに最初からしておいたなら、また見ているほうの気持ちも違ったんじゃないだろうか。


来年以降の開催は今のところ不明であるが、日テレが冠スポンサーをつけず自前で1000万円を賞金として出せるうちは続くのかなあ。まあやればやるほどブラッシュアップはされるので、日テレも本気なら続けてほしいもんだ。


以下は簡単な感想。

ニッチェ

「ネタで認められたい!」みたいな煽りVTRだったのだけど、その割には2本とも新作じゃなかったなあ、と。もちろん新作だから良いというわけでないし、今まで散々やったネタだからこそ自信があるということかもしれないけど、自分には「この大会に対するニッチェの評価」が表れた気がするんだけどなあ。

はなしょー

師と仰ぐだけあって、まるでニッチェを見ているよう。それならニッチェでいい、ってなっちゃうんだからさ。

アジアン

個人的には頭三つくらい出ている印象でした。とても面白い。隅田さんが元気そうに「モテないのはテレビのせいじゃないことに3年で気付いた」が今回の瞬間最大風速。

紺野ぶるま

自分というものが一番よく分かっているネタをしていました。今回の大会の意義を一番上手く利用していた気がします。

中村涼子

ピン芸人の舞台感。

牧野ステテコ

いとうあさこを二回り貧相にして下品にした感じで自分はあまりハマらなかった。でも審査結果で準優勝ですから、今後何かしら需要はあるのかもしれない。

まとばゆう

地方の公民館だと爆笑王。

押しだしましょう子

良くないのはプロに見飽きたプロがうっかりこういうのを評価してしまうところ。本人は悪くないよ!

どんぐりパワーズ

とりあえず「ダイエットヴィレッジ」に出演してみようか。

ゆりやんレトリィバァ

ひょうきんな人。ただ見せ方は違うんだけど、やってることがそんなに変わらないのは個人的にあまり。もちろん地力があるんで勝ってしまうんですけどね。


みなさんのおかげでした」の話は年内に間に合えば…