名人と職人とバカ

キングオブコント2011を見ました。今年からオロナミンCが看板降ろしたんですね。知らなかった。


優勝はロバートということで、東京03以降言い続けてますが、「優勝にふさわしいと芸人が認めた芸人が優勝する」という傾向はなんら変わっておりません。そりゃロバートは面白いんですが、個人的にはロバートがこの称号を手にするのはなんか違うなあという気がするんです。こんな書き方をするとロバートのコントを否定しているみたいに聞こえるけどそうじゃない。そりゃもちろんテレビの前で大笑いしてますよ。一本目のコントなんてロバートにしか絶対にできないですもの。あんなもん笑わないほうがどうかしてる。


ただそれでもロバートがこの賞を獲っていくことに若干の違和感があるのは、それはもうロバートのコントが名人芸の域に達している感があるからだ。いまさらロバートがその称号持ってく、つう話である。喩えるならば、ダウンタウンが今更「THE MANZAI」に出場して賞をもっていくか、というレベルの話だと思う。


多くの人は「ロバートってそれほどのもんじゃないだろう」と言うかもしれない。けど個人的な意見を言えば、ロバートのコントはそこまで円熟しているというか、もうとっくにそのレベルまで突き抜けているように思える。同じ土俵に立っているように見えて、すでに戦っている領域が違うとすら感じた。名人のコントにいまさら「キングオブコント」というのは「もういいじゃん」とか思えてしまうのだ。


もちろん大会の規定からいえばロバートに出場資格はあるわけで、出てきて優勝しても何の問題もない。そして芸人たちが「ロバートを優勝させたい」という気持ちがあったからこそ、優勝になっているわけだ。結論に異論はない。


ロバートが名人だとするならば、インパルスのコントは「職人」を感じた。かつて「オンエアバトル」で見ていた頃のインパルスのコントからずっと変わらないテイスト。進歩がないといえるのかもしれないが、昔から一貫してずっと面白かったということでもある。同じクオリティのネタを積み重ねているインパルスは紛れもなくコントの職人だろう。大爆笑を持たないという意味で賞レース向きではないのだろうが、確実に面白い。こういうネタを定期的に見たいよなあ。


そして圧倒的に「バカ」だったのが2700。初回のキングオブコントで見たときは「大丈夫かなあ」と思ったもんだが、数年前にレッドカーペットで見た桃太郎のネタがバカだったことをいまだに覚えているが、今回披露されたネタも紛れもなくバカ。最近ここまで純度の高いバカなネタは見ない。キリンスマッシュorレシーブは天才的にバカだなあ。あんなの1時間見てられる。


来年あたりはそろそろ「功労賞」をブッ飛ばすような勢いのある若手クラスの芸人が優勝する場面を見てみたいなあと思います。