いや面白いんだけどね

今クールもなんとなくではありますがドラマ見てます。まあ誰も興味ないでしょうけど。


TBSの目玉は日曜劇場の「小さな巨人」。半沢直樹のスタッフによる警視庁捜査一課と所轄の対立を描く力作。んまあこう自分で説明している時点でもうなんか飽きてきたのですが、「踊る大捜査線」以降消費されまくっているテーマですね。そこに半沢エッセンスである「権力者によって虐げられた主人公が一矢報いるために奔走する」が加わって、それはもう半沢的な感じで。どうしても香川照之は顔芸で出演しなければいけないルールでもあるのか。


面白いかつまらんか、でいけば「面白い」部類に入るとは思うのですね。ただそれは「この先どうなるか気になる!」というわけではなく、もう水戸黄門を見るかの如く「ベタとなった展開をベタに見せてくれるためのドラマ」なのです。フジのバラエティ「スカッとジャパン」が流行っているのと同じ理由ですね。なんだかんだで日本人はベタドラマが大好きですから、最終的に勧善懲悪になるこの手のドラマは需要がある。もはやストーリーなんて「ウンコのついたパンツをなすりつけられた主人公が本当に漏らした人間を突き止める」でも成立するわけで、あとはもう好みの問題。


下町ロケット」で「まれ」直後の土屋太鳳が阿部寛の娘役でブッ込まれたように、今回殆どいなくてもいい人事の警察官として「べっぴんさん」直後の芳根京子がブッ込まれているあたりも「それってどうなんすかね」と「モヤさま」のナレーションばりに言いたくもなる。


唯一褒めどころがあるとすれば、今回は原作ナシのオリジナルなところ。まあそれが最終的にやっちまった的なことになる可能性もあるわけで、まだ褒めないようがいいような気もするけど、昨今の原作ありきドラマよりはそりゃ褒められていいでしょうよ。


一方フジは「CRiSiS」が骨太。こちらも刑事モノではあるが、公安機動捜査隊特捜班という架空の特殊部隊を描いた作品。主演である小栗旬西島秀俊のアクションにも注目が集まっている。


しかしこっちはこっちで「SP」の焼直し感が否めない。いや原作が同じ金城一紀なので、世界観を一にしていると考えるのが正しいのだろうが、やってることも事件の背景もあまりに同じじゃないかね、とはちょっと思うわけだ。もちろんこういうテーマを扱う以上似通ってしまうのは仕方ないとはいえ、である。


第4話では要人警護で話が展開。公安情報を外国に漏らしていた大学教授(小市慢太郎)は最終的に公安から警護対象を解かれ、プロの殺し屋に爆弾で殺されてしまう。いったん警護対象になった人物ではあったが、「上からの命令」によって警護を続けることもままならず、みすみす見殺しにしてしまうというのはなかなかに衝撃な展開ではあるんだけど、これって「SP」のエピソード3とほぼ筋立てが同じなんだよなあ。わざとやってるのかなあ。


代議士の汚職を秘書になすりつけて自殺させた、というエピソードがドラマの中でも挿入されていた。これなんて「SP」の尾形まんまだし、政治家や警察が抱えている闇はそれしかないのか、というツッコミも入れたくなる。一貫したテーマの共通項と捉えるべきか、引き出しが少ないと捉えるべきか、なんか判断に迷う。


そんな余計なことを考えるくらいなら、「釣りバカ日誌season2」で何も考えずに大笑いするのが一番正しいかもしれない。第1話でマツケンが砂浜を白い馬で駆けてきたのには、さすがに飲み物吹き出してしまったよ。