覆水盆に返らず

SMAP結局解散。


今年の頭に勃発したSMAP解散騒動。SMAPの育ての親である飯島元マネージャーが独立を画策し失敗。木村だけが事務所の残留を決めたことが決め手となり、結果的に飯島マネージャーが放逐されることになる。SMAPは事務所残留。一連の騒動を「SMAP×SMAP」の生放送で謝罪をしたものの、テレビ史に残る「お通夜感」を発揮。「こりゃどうしようもねえ」という印象を日本国民に与えた。


その後放送される「スマスマ」は酷かった。今まで放送されていた内容をなぞっていたものの、明らかに画面からは「ギクシャクしてますよー」と伝わってくる。スマスマではない謎の番組が放送されることもしばしば。常に「限界なのでは」と囁かれていたが、騒動から半年後、ついに解散報道が出た。しかも全員のコメントつき。否定のしようのない事実としてだ。


この解散報道で「えーーー」となった人もそりゃ多いだろうが、心の底から「信じられない」と思っている人はいないだろう。前述したとおり、ここ半年のSMAPの活動を一言で表すと「不穏」だったのだから。それでもなお「信じられない」という人がいるならば、それは単にSMAPのメディア活動に興味がなかっただけであり、信じられなくても「残念だ」とは思ってないだろうよ。だからこそ、衝撃はあれど驚きはない、というのが自分の正直な感想だ。


そして自分はこの一連の騒動とその結末を「気の毒だな」と思う。そもそもの発端はSMAP及び飯島マネージャーの事務所独立という動きによるもの。25年も事務所に奉公し、なおかつ日本を代表するスターに育て上げたその功績を考えれば、事務所の独立を認めてもやむなしという側面は確かにあったんではないかと思う。


しかし事務所が、それをよしと思わなかった。独立には「事務所の後継者争い」という側面も含まれており、それがSMAPの分裂にまで影響を及ぼす。最初の騒動のときにも書いたけども、SMAP本体としては事務所の権力争いに「巻き込まれた」側である。今回の解散は木村と香取の溝が埋まらなかったことが最大の理由であるが、その溝は独立騒動が原因なのだから、あの騒動が上手く回避できていれば当人同士の不仲も起きなかったわけで、今回の解散という話にならなかったのだ。事務所と周囲のプレッシャーにより「一応存続」という形はとっていたものの、あの時の騒動は何も決着していなかったのだと、半年越しで知らされる。誰も特しなかった。


半年前に出された結論は何一つ結論としての機能を果たしておらず、ただいたずらにSMAPの寿命を延ばしただけだった。心苦しい結論をお盆に発表したのは、世間の喧騒を気にした結果なのか、それとも「SMAPをこのまま極楽浄土へ行かせてくれ」という願いだったのか。なんにせよSMAPという日本を代表するアイドルグループを、このような形でしか終わらせることのできなかった事務所と関係者は色々考えなければいけないことがあるだろうよ。なんかこう、やりきれないものがありますよね。それ以上の言葉が現時点では出てこないです。