安心せい、致命傷じゃ

「橋下×羽鳥の番組」で少し気になったことを。


今回の都知事選で小池陣営がネット及びSNSを有効活用した、という話題になり、その為「だけ」に呼ばれたであろう前参議院議員山田太郎が「SNSの活動で29万票を集めましたぜ」と割と誇らしげに話していた(ように見えた)ものを、橋下が「その程度の票なんか余裕で集まるわい。影響力なんてないわ」という旨でぶった切った。これは笑ってしまった。


橋下からすれば29万という票は「それっぽっちの票」であり、しかも落選しているとなれば「民意の反映にもならん死票」ということだ。その考えに賛否があることはともかく、橋下がそう思っているのは仕方ない。しかし、橋下がホストの番組で、SNSの有効性を提示するため「だけ」(と敢えて強調するのは、その話以外で山田の意見は殆ど放送されていないゆえ、編集側がそう思っているんだろうという話)に呼んだ人物を、身も蓋もなく一刀両断しなくてもいいだろう。じゃあ呼んでやるなよ。


自分もSNSが選挙に及ぼす影響力には懐疑的ではあるものの、さすがに見ていて「それを言う役割で呼ばれたのにそんな仕打ちしなくても…」と思ってしまった。これがこの番組の「橋下がガチ」という証左にもなってはいるが、もうちょっと番組として気を使ってやれよとは思う。北村弁護士杉村太蔵がフォローはしていたが、番組としてのフォローが足りない気がするぞ。ああいうやり方をしていては、出演する人物も減ってくるんじゃないだろう。話題の人物をタイムリーに呼べている番組なのに。


ところでこの番組における杉村太蔵のポジションが絶妙になってきた。「素人的見地」(素人ではないんだけど)からのちょっと俗っぽい質問も出来れば、橋下に対するツッコミも行う。たぶんこのポジションは番組側からすれば羽鳥に望んでいたポジションなのだろうが、羽鳥が番組中は完全に空気と化しているので、太蔵がその位置にすんなりついた。議員として復帰することはないだろうが「議員タレント(タレント議員ではない)」としての地位を着々と築いている。やるなあ、と思う。