そういうプレイ

水崎綾女はいつまで女子高生をやるというのか。


毎週ドラマ「3匹のおっさん」を楽しみにしている。有川浩原作のドラマであり、北大路欣也主演という、おおよそ若者を無視したドラマではあるんだが、なにせ自分もいいオッサンであり、何より有川浩にハズレなしである。ドラマもその期待を裏切ることなく高齢者に優しい「分かりやすい」ドラマになっている。


このドラマの中で圧倒的に気になるのは「高校生の出演者の年齢」である。キヨ(北大路)の孫である祐希を演じている大野拓朗は25歳。ノリ(志賀廣太郎)の娘を演じる三根梓は22歳。二人とも高校生をやるにはちとしんどい。いや、かなりしんどい。それに加えて今週ゲストで登場した水崎綾女は24歳。どいつもこいつも成人してやがる。


どこかで言及されているような気もするが、要するにこのドラマのメインターゲットであるだろう高齢者からすれば、「若者」という記号さえ満たしていれば皆高校生に見えるのだから、あまり気にしていないのだろう。リアリティよりは高齢者が「孫的扱い」の視線を向けられる安心感を重視した、なんて気がしないでもない。単にナメられているだけかもしれない。


しかしまあ一応高校生とそうでない人の区別がつく自分からすれば、やっぱり違和感はある。劇中で水崎は剣道をするキヨと祐希に向かって「コスプレ」と連呼する場面があるのだが、水崎からすれば「自分が一番コスプレじゃねえか!」とかなりの羞恥プレイだったに違いない。同じく劇中で悪徳スカウトにだまされて下着で撮影するシーンがあったわけだが、水着グラビアが本職でもある水崎からすればコスプレのほうがよっぽど羞恥プレイ。


こういう「ドラマの役に乗せて実際の役者を辱める」っていうプレイがたまに登場しますよね。


北海道では阿部寛主演「新参者」シリーズの2時間ドラマ「赤い指」の再放送が先日放送されました。見ていなかった自分は録画して見たわけですが、その中でとんでもない面白があったので一応報告しておきます。完全に「何をいまさら」な内容なんですけど。


杉本哲太が鬼の形相で自転車をこぐシーン。爆笑。


ドラマのシーンとしては非常に泣ける場面なのですが、もちろん自分がその背後に想像するのは酔っぱらって自転車を盗んで事情聴取される杉本。あるいはその直後に「日本の自転車泥棒」という映画に主演する杉本。とにかく杉本哲太に自転車を乗らせてしまっては、そこがどんなにシリアスなシーンでも笑うしかないのである。もちろんドラマの中で自転車に乗るのは必然であり重要なシーンなので削ることは出来ない。けども、杉本哲太に乗らせてはいけないのだ。だってそれだけで面白い。


こういう視聴者のツッコミを待つドラマの羞恥プレイって割と意図的に行われているような気がするんだけども、そこらへんを作り手も役者もどう思っているんだろうか。いち視聴者からすればただの「面白いやつ」なんでそれでいいんですけどね。