老人と子供のポルカ

銭ゲバ
松山ケンイチ主演。ジョージ秋山の往年の漫画作品のドラマ化である。


そもそも原作の内容が暗いわけで、ドラマ初回もすこぶる暗かった。いやあ暗い。昨日書いた「ラブ・シャッフル」が「金持ちの道楽ファンタジー」だとするならこちらは「世相の暗さをダイレクトに反映した笑えない話」である。原作漫画が発表されたのは1970年。今から約40年前の話であり、その設定をそのままドラマにするわけには行かないので当然といえば当然だが(もちろん1970年の話として描く手法もあるけど)、それにしてもこんな世知辛い時に世知辛い設定のドラマを作らんでもと思わないでもない。もちろん世知辛いことを描くのが目的ではないけども。


原作ファンがどれだけいるのか自分には分からないが、「ラブ・シャッフル」が10.0%しか視聴率を取れなかったのに対し、「銭ゲバ」は12.0%とそれほど高くはないが今期スタートのドラマではまずまずの数字。殆どドラマの番宣がされていないにも関わらず(番組プロデューサーがブログで愚痴をこぼしたほど。現在は削除済)この数字ということは、世間が「こういうもの」を求めているということなのかもしれない。暗いのに。毎度の如く原作未読なので今後どう転がるか全く分からないのですが、今後この状況を風太郎(松山)がどのように乗り切っていくのかは確かに気になる。


出演者に触れておく。松山ケンイチの演技が達者なのは言わずもがな、子供時代の役で登場した斎藤隆成が相変わらず達者で。この子はキャミキくんのような愛らしさはないけど演技力に関してはキャミキくんクラスなので安心して見ていられる。あと「ちびまる子ちゃん」こと森迫永依がさらに達者になっていて驚いた。


ひとつだけ疑問があるとすれば、なぜ土9の枠をあてがわれたのかなということ。まあ他の日テレドラマ(「神の雫」「キイナ」)を考えると自然とこの枠になるのかもしれないが、どう考えても土9の枠は不適のような気がする。水10「キイナ」が「世界仰天ニュース」がらみで動かせないとすれば、やはり火10じゃなかろうか。元々松山ケンイチ主演「セクシーボイスアンドロボ」で始まった枠なんだしさ。ワインを扱うけども「神の雫」が土9のほうが収まりがいい。*1


ただ「神の雫」主演の亀梨が土9で「野ブタ。をプロデュース」「たったひとつの恋」「1ポンドの福音」と多数主演(出演を含めれば「ごくせん」の第2シリーズも)を務めており新鮮味に欠けるという事情があったんだろう。結局「大人の事情」つうもんが優先された結果なのかなと思わないでもない。


土9の感覚からすれば「銭ゲバ」は多少重すぎるきらいがある。ただ「同情するなら金をくれ!」というフレーズが流行した「家なき子」を放送したのもこの枠であったことを考えるなら、案外すんなり受け容れられるのかもしれない。無論「家なき子」が「銭ゲバ」と同系列のドラマとは思わないが。


土曜の夜くらい楽しい気分でいたい人にはオススメしないけども、日テレの宣伝の力の入れ具合とは反比例するかのように力作には仕上がっているんで自分は見続けようと思います。あまりの暗さに自分がやられそうになったらやめますけどね。



ドラマ初回感想ですがあとは「キイナ 〜不可能犯罪捜査官〜」を書いて一段落させます。書かないのは見てないということでご了承ください。「本日も晴れ。異常なし」については一切ドラマを見ずに「Dr.コトー診療所」の感想をまるまるペーストして書こうと思ってましたが、さほど面白くもないと思ったのでやめました。


バラエティをはじめとしてその他の番組も見てるんですが、差し当たり書く事もなく。吉本が真剣に三浦マイルドを推す気があるのかが気になるくらいです。

*1:そういや余談ではあるが、「神の雫」第2話には全然笑うシーンがなくて拍子抜け。こんな普通だったら次回以降あんまり見る気がしない