油断

椿姫彩菜が最近油断している気がしてならない。


椿姫彩菜とは「元男性」として有名な現役女子大生タレント。単なるオカマタレントではなく性同一性障害の診断を受け性転換をしているので現在はれっきとした女性。だから「女性(元男性)」の表記が正しく、性転換が最大の売りであるのに「オカマ」の一言で片付けるわけにはいかないややこしさ。


最近では「元男性」という説明が省かれる場面も少なからず見られるようになってきた。それはおそらく紹介される際に必ず「元男性」の説明がされ、いい加減世間にも浸透してきたから省いてもいいだろというテレビ側の判断があるんだろう。しかし自分にはどうも「そろそろ単なる女性タレントとして扱ってもらっていいんじゃないのかい」という椿姫側の思惑が見え隠れする。


確かに椿姫彩菜はそこらの女性タレント(あるいは現役女子大生タレント)より可愛い。現在が女性だという事情を抜きにして、彼女が今もってニューハーフだとしても自分はお付き合いしてしまうかもしれない。いや自分がモテるモテないは別として。そのくらい見た目がキレイである。


見たからに「元男性」であるならまだしも、何も言わなければ「元男性」だなんて誰も気付かない。だったら、芸能界に登場したきっかけはどうあれ、現状が「可愛い女子大生タレント」なのであるから、わざわざ元男性であることを言わなくてもそこらへんのタレントと一括りにしてくれちゃっていいんじゃないの?っていう椿姫側から無言のプレッシャーをかけられているような気がしないでもない。


でも最近、椿姫の見た目や振る舞いがちょっと雑でオスっぽくないか?と自分は思うわけです。


いや生まれてきたときから女性であっても、椿姫なんかより全然オスっぽい女なんてのはそこらへんにゴロゴロしているわけですよ。そんなのに比べたら椿姫ははるかに女性であります。しかし自分が思うに、最近の椿姫は「自分が女性であること」に安心しきって、以前より女であることを過剰に意識してないんじゃないかと思うのだ。


椿姫としてはもはや完全に女性なのだから「自分が女性であること」なんて意識を必要以上に持つ必要はないんです。それが完全に「女になった」ということの証左でもあるんでしょう。ただ、「元男性である」という情報が自分に視聴者にある以上は、椿姫が「ふつうの女性より女性らしい」くらいではじめて「女性」として認めているような気がするんです。だから最近の椿姫の振る舞いは以前より女性を意識していないがゆえ雑に見えるということ。


それが「性同一性障害に対する差別だ」と言われたら、まあ、否定のしようがありません。しかし実際そう思えるのだから仕方ない。今の椿姫を見ると、自分が元々男性であることを意識しない完全に「普通の女性」の振る舞いに見える。元々女性であれば「まあそういう女なんだな」くらいにしか思わないけども、椿姫の場合は「あれ?ちょっと男に戻った?」くらいの感想を持ってしまう。本人にとってはごく自然な振る舞いであっても、自分には「世間に女性として認められたから、もう必要以上におんなおんなした振る舞いをしなくてもいいかも」という余裕というか油断というか、そんな印象が否めない。


自分は椿姫のことをそこらの女性よりは美しいとは思っているが、同時に「元男性である」ことが唯一最大のウリであると思っているわけで(現役女子大生やら小悪魔agehaモデルだとか、商品開発に携わっているとかは大したウリではない)、そこをなかったことにする(その段階を「あがり」の状態にするとでも言うのか)にはテレビタレントとしてはまだまだ早いんじゃねえの、という気がしている。だからこそ、その「あがり」を早めるような「元男性ではなく最初から女性である」という振る舞いをすることにまだ違和感がある。ただの「現役美人女子大生」の肩書きだけで今後勝負出来るとはどうしても思えん。


どうしても性同一性障害のことを持ち出されると口を噤んでしまいがちになるが、その事を売りにして(本意でないにしろ、だ)芸能活動を行っている以上は、まだまだこちらの「元男性」という色眼鏡に付き合ってもらわなきゃダメなんじゃねえだろうか。そちらの都合で勝手にその色眼鏡を外してくれと言われてもなかなか出来ない。「単なる女性として見て欲しい」というその気持ちは分かるが、一度ついたイメージってのはなかなか簡単に消えないものだということです。