詐欺


タイトルからいって小室の話かといえばそうではなく、ミスタードーナツのCMの話。


ミスタードーナツがドーナツの大きさと値段を再設定した。今年に入ってからの原材料(主に小麦粉)の値上がりもあって、ドーナツに限らずどの食品もこぞって値上げをした。このご時世だから文句は言えないが、中には「それは便乗」としか思えないようなものまで上がったりしてたまらない。


値上がりというのは二種類あって、ひとつは字面の如く値段が上がる。消費者にとっては目に見える変化なので「上がった」感が非常に強い。もうひとつは「実質値上がり」というパターン。値段はそのままだが内容量が少なくなることで今まで払っていた商品の対価よりも結局は値が上がっているというもの。安売りをしているティッシュペーパーの内容量をよく見たら、200枚から160枚に変わっている(中身2割減なので実際はかなりの割高)なんていう話だ。


食品の場合も「目に見えて小さい」まではいかなくても「こんなに小さかったかなあ」というのがザラである。以前ここにも書いたかもしれないが、「うまい棒」の大きさが変わっていたことには衝撃を覚えたものだ。そんな中ミスタードーナツは商品も小さくなったし値段も上がった。100円均一セールもいつのまにか110円均一セールになっていたりと、かなりの割高感があった。


そこにきて大きさと値段の改正。値段を下げる代わりに大きさもちょっと小さくなりますということ。要するに提供するサイズを小出しにしただけで何も変わっちゃいないということなのだけど、値段が下がるというのはやっぱり心理的に動くものである。そのことを宣伝するためのCMも頻繁に流れている。相武紗季が総理大臣に扮してドーナツを頬張っている。


相武紗季といえばそれはもうCMに出まくっている女優であって、ミスドの場合はかなり早い段階(まだタカアンドトシがCMやってる頃)から彼女を起用していた。今でこそ数多くのCMに起用されている相武ではあるが、起用当時はまだ本数も少なかったため、相武紗季といえばミスドというイメージがある。数年前まではミスドといえば山下達郎の曲に所ジョージだったのに、だ。


そんな彼女が今ミスドのCMをやっているのは何の不思議もない。相武紗季が新しくなったドーナツを頬張る姿はやっぱり可愛い。しかしここに大きな罠がある。相武紗季が頬張るドーナツを見てほしい。ドーナツ、意外に大きいと思わないだろうか。正直リサイズされたとは思えないほどに大きい。直径でいけば相武紗季の顔の半分くらいはある。これを見たら「あ、値段は下がったのにドーナツそんなに小さくなってない」と思ってしまう。


でも本当はドーナツはすげえ小さいんだ。以前(数年前)のミスドを知っている人間からすれば、今のドーナツは本当に小さい。ではあのCMはCM用にドーナツを大きく作っているのだろうか?CM用なので多少大きく作っているのかもしれない。断言は出来ない。けど、あのドーナツが多少CM用に大きく作られていたとしても、もっと動かしがたい事実がそこに横たわっている。


相武紗季の顔が半端なく小さい。


もう、この事実に尽きるのである。相武紗季の顔と比較すりゃどんなドーナツだって「大きく」写るわけで、決してミスドのドーナツが大きいわけじゃあない。自分はナマの相武紗季を数年前に札幌競馬場で目撃したが、そりゃあまあ顔が小さいんです。おそらくフォーリンラブのバービーの半分以下しかないのではないだろうか。分からない人にはなんのこっちゃの喩えではあるが。


もし仮に今回「ミスドのドーナツの大きさがリニューアルされました」というCMだけに相武紗季が起用されていたならば、これはもう間違いなくドーナツの大きさ詐欺である。明らかに大きさを誤認させようとする意図が見え隠れする。しかしミスド相武紗季を長年にわたって起用しているだけに、このCMからミスド側の悪意を明確に読み取ることはできない。偶然の産物か、それともある程度の「してやったり」があるのか。


いずれにせよ我々消費者は、実際にミスドで買い物をしてドーナツの小ささおよび自分の顔の大きさを嘆いてはいけないということである。


筑紫哲也死去

自分は「NEWS23」を殆どスルーしてきたので、亡くなったことに関して何の感慨も沸かないのです。