春ドラマはこぞって低調でした。自分が見たなかで一番面白かったのが「ラスフレ」で、「ホカベン」が後半盛り返してきたのがまだマシで(裁判の決着をつけなかったのはうまく逃げたなと思う)、あとはまあ、しょうもないです。「絶対彼氏」「Around40」あたりは見ていればまた違ったのかもしれませんが、見る気なかったのだから仕方ない。
それに比べて夏ドラマはちょっと期待できそうなのが多い。正直春ドラはあまり最初の段階で食指が伸びなかったのだけども、今回は「とりあえず初回は見ておくか」なドラマが多い。ドラマに関して言えば専門分野だとは思ってないのであまり大きなことは言えたもんではないが、顔ぶれやら脚本家やらを見れば大体ドラマの面白さは想像がつく。これをいい意味でも悪い意味でも裏切られるからまた面白いんだけど、大体は想像の範疇で落ち着く。
自分が注目しなくてもイヤでも注目されるドラマはとりあえず放っておくとして、ひそかに注目してみたいドラマをここで紹介しておく。来週金曜(7/4)から始まるテレ朝のドラマ「ロト6で3億2千万円当てた男」というドラマ。反町隆史主演。
はっきりいって「コケる」空気が満載のドラマではある。「ビーチボーイズ」「GTO」のイメージが強い(というか以降目立った主演作がない)反町が平凡なサラリーマン役で主演。二番手のクレジットがオセロの中島や眞鍋かをりでは「どんだけ金かけてないんだよ」とぼやきたくもなる。もちろん彼女らが悪い役者という意味ではなく、ハナっから視聴者に「このドラマを見よう!」という気にさせない、という意味で。いくらドラマそのものが面白くても、最初に見てもらわなければ意味がない。
ただし脚本の尾崎将也が侮れない。近年は「結婚できない男」「アットホーム・ダッド」など関西テレビ製作のドラマで面白いドラマを手掛けているイメージがあるが、テレ朝でも「只野仁」を手掛けていたりと縁はある。そしてこの人の書くドラマの特徴といえば、全体的にキャストが地味。別に尾崎がキャスティングまで決めているわけではないのだけども、なぜかしら「このキャストで誰が見るんだ?」というキャスティングが多い。「結婚できない男」も阿部寛こそ主演だったが、そこに夏川結衣をぶつけてみたり決してキャスティングで視聴率を呼ぶドラマではなかった。にも関わらず超絶に面白かったのだから、ドラマの面白さとキャストの華やかさは実際関係ない。
この「反町主演&地味すぎるキャスト×尾崎将也」という組み合わせ、自分にはちょっと臭う。「結婚できない男」と同じ雰囲気がするとは口が裂けても言うつもりはない。ただ、85%の確率で箸にも棒にもかからないようなしょうもないドラマになるだろうが、15%の確率で超絶に面白いドラマになる可能性があるように自分は思うのだ。もちろんこの場合の「面白い」は「視聴率が取れる」ではなく、「良作」という意味である。数字は間違っても取れないと思います。平均10%超えれば上出来じゃないか。
普通の話をすれば「コード・ブルー」「太陽と海の教室」「魔王」あたりが数字も話題もさらっていくような気はしますが(特に連ドラ初主演となる嵐の大野が出る「魔王」は注目でしょう)、そんな中で「ロト6」を自分は地味に注目してみたいと思います。ハズしたら「そりゃそうだ」、面白かったら「最初から注目していたオレかっこいい」というどっちに転んでも損しない狡猾なやり方であることを最後にばらして終了です。
そして今日こそは「ラスフレ」総括を。