ドンだけ〜

ソロモン流」にドン小西。


日曜の22時(正確には21時54分)から放送されている「ソロモン流」。船越英一郎が番組ホストを務め、「賢人」と呼ばれる芸能人(あるいは文化人)を取材したVTRを紹介するドキュメンタリー番組。簡単に言えばテレ東版「情熱大陸」みたいなもの。放送時間は1時間だし、船越英一郎が毎回ゲストにちなんだ食べ物を食べているといった違いはあるが、同じようなものだと思ってくれればいい。


自分は「情熱大陸」も「ソロモン流」も、そこそこ同じ頻度で見ている。「情熱大陸」では手が回らないような人たちにスポットを当てるのが「ソロモン流」のような気がする。「情熱大陸」が旬の芸能人だったりその分野のトップランナー(世間的にはあまり知名度がない人)であるのに対し、「ソロモン流」は「なぜ今この人を?」という「?」が常に付きまとうような人物を積極的に取材する。この落差がテレ東イズムであり、思わぬ面白さを生んでいるように思う。


今ドンコニを取り上げる番組なんて「ソロモン流」以外には考えられない。そして我々はドンコニのことを知っているようで全く知らない。これだけでも見る価値があるというのに、なぜ日本国民の4.5%しか「ソロモン流」を見ていないというのか。自分にはちょっと考えられない。「日本沈没」の柴咲コウを見て涙している人間は、ドンコニの奥さんが結構な年齢なはずなのに相当な美人であることを知っているんだろうか。


そもそも自分は、「ドン小西」という名前が「とくダネ!」のディレクター(プロデューサーだったかも)によって命名されたものだということすら知らなかった。漠然ながらドンコニがデザイナーであり服飾評論家であることは知っていたが、詳細な出自、特にデザイナー小西良幸が「ドン小西」となった経緯は知らなかった。ちなみに先ほど確認したがwikipediaにも載っていない。そんな貴重な情報を発信しているのに、なぜ日本国民は興味を示さない?


ドンコニがなぜピンクの水玉の衣装を愛用しているのか。テレビでドンコニを見たことがある人なら一度は目にしているであろうドンコニのピンク及び水玉。ピンクの水玉ではなくても、ピンクの服か水玉を着ているのは見たことがあるはずだ。なぜあのような奇抜とも言える衣装をドンコニが着るのか。「ソロモン流」を見た人はこの答えを知っている。自分も知っている。けど、自分はここで正解を書かない。なぜなら、日本中の人間がドンコニの出た「ソロモン流」を見なかったことを悔やんでほしいからである。あんな貴重な放送を見なかったことを、である。


今のテレビで「見逃して悔しい」番組って殆ど無いと思うんです。もちろん生活のスタイルにもよりますが、こんなサイトを読んで下さっている方であれば、毎週欠かさず見ている番組のひとつやふたつあると思うんです。しかし、そんな番組ですら、見逃して「あー、しまった〜」と小一時間げんなりするということはないのではないでしょうか。特に人気のある番組やドラマなんかは、ネットで探せばいくらでも後追いで見ることが出来ますし。


しかし、「ソロモン流」に関してはそうはいかない。そもそも視聴率が低く需要のない番組であるから、ネットで流したところで誰が得するわけでもなく、また誰が見るわけでもない。だからこそ自分はドンコニが出た「ソロモン流」を見たことを無駄に誇るし、見なかった人には見なかったことを悔しがって欲しいのだ。


どうせ「ドン小西なんか興味ねえよ」と多くの人は言うのだろう。そしてその答えは100%正しいのでしょう。しかし「なぜドン小西はピンク及び水玉の柄の服を好んで着るのでしょうか?」という質問の答えを知らされないまま、今後ドン小西を見たら「あ、そういえば」となるはずだ。そしてその度に「なぜドン小西はピンク及び水玉を好んで着るんだ?ああ、ソロモン流見とけばよかった…」と思うに違いない。いや、思って欲しい。


日本人の95.5%が自分よりドン小西のことに詳しいのならともかく、そうでないならば絶対に「ソロモン流」は見ていないとおかしい。ドンコニに詳しくもないのに「ソロモン流」を見なかった人は、ドンコニを見る度に「なぜピンク及び水玉を着てるんだ…」と悩めばいいんです。このもやもやを自分だけのものにしたくない人は、手当たり次第に人に聞いてみましょう。もし知っている人がいればラッキーだけど、その人も知らなければドンコニに関するもやもやはますます広がっていく。そしてそんな人たちは皆「ソロモン流」を見なかったことを後悔すればいいのだ。