残念!

エンタの神様」に波田陽区

「はたようく」と読むのだが、ギターを片手に着流しでテレビを斬る芸人。エンタの神様でしか見たことないが、人気のほうはどうなんでしょ。めざましテレビで大塚さんが注目してたけど、それが人気とは全然関係ない。

で、波田なんだが、テレビを斬るネタが微妙に鋭いんだか間違ってるんだかわからない。面白いネタもあるが、的外れなネタも多いというか、それ以上にいまだ自分がネットを介してやっているようなテレビ批評の悪口レベルで終わっているのではないか、など自分が疑問に思う点はまだまだ多いのだが、注意しておきた芸人であるのは間違いないようだ。

で、波田が8日放送の「エンタの神様」においてゲストMCだった小倉優子を斬った。彼の微妙な言い回しは忘れてしまったが、内容は「天然で通っているけども、本当は全部計算ですから」というもの。で、彼の決め台詞「残念!」と叫ぶわけです。そんで「〜斬り!」と攻撃対象を名指しにするのだ。

小倉優子本人の前でやるから、このネタはそこそこの価値を持ったのだろうか。いや、彼のネタは元々こんなんが多いんで、たまたま出演していた小倉にかこつけてネタを披露したのだろう、多分。本当のところは本人しか知る由がないのだが、小倉優子が天然か計算かなんて話は彼女が不思議発言をして以降ずっと付きまとっている問題である。別に小倉でなくとも「不思議キャラ」と呼ばれる人には必ず付いて回る疑惑だ。「今年の風邪はタチが悪い」と毎年言ってるようなもんで、それが本当かどうかが問題ではなく、言いたいだけなのだ。

しかし、小倉優子のキャラがつくりかどうかについてはある重要な証拠となるものがある。それは数年前に彼女が出演した「夜もヒッパレ」において、小倉がかつての山川恵里佳ばりに喋りまくっていた過去があるのだ。ちょっと検索すればすぐにでも見つかるような代物であり、見たことがある人もいるだろう。

ただ、このVTRがそのまま「小倉は天然ではない」という証拠になるわけではない。山川は当時一線級のアイドルとして活躍していたわけで、事務所の後輩である小倉はそれに肖って(お、使う機会に恵まれた)真似ただけかもしれない。ただ、それだけ真似るスキルがあるならやっぱり天然じゃねえじゃんという批判もあるだろうけどさ。


ここで小倉が本当に天然かどうかが問題になるわけではない。問題は、波田がこの事実を知っていたかどうかなのだ。

確証はないけども、きっと波田はこの事実を知っているに違いないのだ。先ほども言ったが、波田のネタはどうもインターネットの香りがする。彼はテレビっ子を自称しているが、おそらくテレビだけでネタを作っているわけではあるまい。着流しを着ていたところで現代人。ネットの恩恵に預かっていないわけがないだろう。

となれば、この小倉優子の話だって知っているに決まっている。もし、もし波田が本当に小倉優子を斬るつもりがあったならば、なぜその事実に言及しないのだろうか?もちろんネタだからそこまで本当のことをえぐる必要なんてないのは分かっている。ただ、波田が本気であるならば、自分としてはここに触れてこなかったのがそれこそ「残念!」に他ならない。

エンタの放送局は日テレ。しかもヒッパレはエンタの時間帯にやっていた番組である。これほど小倉優子の暴露について相応しい場所はなかったはずだ。しかし、波田の自粛なのか、それとも何かしらの圧力がかかったのか事実は定かではないが、最終的にVTR込みでこのネタにおいて小倉を斬ることが出来なかったのは波田の方向性を考える上では痛い部分なのではないだろうか。

詰まるところ、毒舌を気取っている芸人も何らかの圧力にはいとも簡単に屈しているということなんだろう。つまらん。お前の話はつまらん、と大滝秀治に叱ってもらいたいほど予定調和でつまらん。舞台ではやってんのかな、もしかしたら。だとしたら尚更つまらん。テレビでやれ。