露骨な嘘

嘘、ってのは「嘘も方便」という言葉もあるくらいで、TPOによっては使うことも必要なわけである。嘘を全くつかないという人間を自分は信用しない。まあ、嘘ばかりつく人間は勿論信用するに足りないのだが。

ただ、もう一度言うがTPOが必要なわけで、どこかの古賀代議士のような嘘のつき方は最悪である。つけばいいというもんでもない。

そんな前置きを踏まえたうえで、本論。

僕と彼女と彼女の生きる道」というドラマがまあまあ好調である。スマップの草ナギ主演のドラマであるが、前作(別に続編ではないが)の「僕の生きる道」に続いて、なかなか数字もよく評判も良い。

ドラマの内容は今回どうでもよく、そのドラマの主題歌が問題である。前作の「世界にひとつだけの花」は今更説明するまでもなく昨年の代表曲みたいな扱いで、スマップが歌い大ヒットした。それというのも、元々の楽曲にも力があったのだが、ドラマの内容とも相まって爆発的にヒットしたという部分も大きい。

だもんで、今回の当ドラマの主題歌である「Wonderful Life」という曲も、なにやらまた同じような系統の楽曲で、いかにも「狙ってきました」という感じである。ただ、今回は誰が歌っているのか今まで明らかにされてこなかった。しかし、30日になって初めてその正体が明かされたのだ。

それは稲垣メンバーであった。

言い直せば「SMAP稲垣吾郎」である。まあこのサイトでは稲垣メンバーでずっと統一していつので今後も稲垣メンバーで。それはともかく稲垣メンバーが「&G」(アンジーと読む)というアーティスト名でソロデビューするらしいのだ。

で、稲垣メンバーが歌うことについては、以前(1/7の駄文)にも書いたが、SMAPワークシェアリングの一環であると考えて間違いない。稲垣メンバーを除く4人がドラマ、しかも話題作の主演となることで年明けからスケジュールが埋まっていたが、唯一稲垣メンバーだけが閑職であった。そんな中「本当にあった怖い話」というオムニバスドラマのストーリーテラーみたいな役割が回ってきたのは、明らかに稲垣メンバー救済措置であったと考えられるのだ。この措置事態が「怖い話」だし、「本当に怖かった」のは稲垣メンバーに轢かれた警官であるのは言うまでもないのだが。

そんな救済措置だけでは物足りなかったのか、それともヒマな稲垣をフジのスタッフは見逃さなかったのか、双方の利害が一致した結果、今回の主題歌も稲垣メンバーが歌うことになったのだろう。大して上手くもない稲垣メンバーの歌唱がソロで取り上げられるなんて、そう滅多にない機会であるし。

とまあ批判的に書いてしまったが、自分としてはこの救済措置そのものはそんなに悪いとは思っていない。「双方の利害が一致」している時点で、それは立派なお仕事として成立するわけで、理想的なのだからこちらが口を挟む問題でもあるまい。口を挟める部分は「CDを買う」という部分でいくらでも意思表示できるわけで、そこを批難するのはお門違いである。

ただ、この部分は批難せねばならんと思う。

サンスポより引用
楽曲があがった段階で「幸せを予感させるようなアーティストがいい」とスタッフが話し合い、稲垣の名前が浮上。

そりゃないだろ。

稲垣メンバーは「幸せを予感させるようなアーティスト」なのだろうか?これは初耳である。それと同時に驚きである。自分の中では稲垣メンバーはむしろ「不幸せな感じがするアーティスト」であったわけで、これにはちょっと不意打ちをくらった感じです。

なんて、驚きを表現するまでもなく、こんなウソをついているスタッフ側が腹立たしい。真剣に考えた結果、「幸せを予感させるアーティスト」ってのは稲垣メンバーのことなのか?本当か?おたくらの脳内では稲垣メンバーに幸せを予感させる回路になっているのか?

考えられません。「あり得ない」という意味でも、「本当にこのような流れで稲垣メンバーが選ばれた」という意味でも。なんでこんなウソをつく必要があるんだろうか。素直に稲垣メンバーが歌えば話題になってドラマも主題歌もまたまたヒットでウッシッシ(巨泉風)と言っても構わないのではないか?それを「幸せを予感させるアーティスト」だなんて。そんな露骨なウソつくなよ。

稲垣メンバーを使うのに抵抗があるなら、ハナっから使わなければいいものを、こんなウソまでついて起用する根性が汚い。ワークシェアリングと割り切っていたほうがまだ心地よい。それをよりによってあんな適当な説明を並べられた日には、もう呆れるとしか言いようがないわけで。